大きな台風が近づいているとニュースで見るたび、屋根のことが気になる方は多いはずです。雨戸を閉め、庭の物を片付けるところまでは思いつくものの、屋根については何をすればよいのか分からないまま当日を迎えてしまう。よくある話です。
台風による屋根の被害には、はっきりとした傾向があります。最も多いのは屋根の頂点にある棟板金の飛散で、次いで瓦のずれや脱落です。どちらも、傷み始めた段階では地上から見ても分かりにくいという共通点があります。
そして重要なのは、台風が近づいてからできることは限られているという点です。屋根の補強は本来、シーズンが来る前に済ませておく工事であり、直前になって屋根に登るのは事故のもとになります。
この記事では、屋根のどこが壊れやすいのか、地上から自分で確認できることは何か、業者に頼む対策と費用、そして前日・当日・通過後にそれぞれ何をすべきかを整理しました。今からでも間に合うことから順に進めてください。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 台風で最も壊れやすい場所は? | 屋根の頂点にある棟板金 | 固定している釘が抜けやすく、浮いた状態で強風を受けると飛散し、近隣への被害にもつながります。 |
| 事前に自分で何ができる? | 地上からの目視点検までが限度 | 屋根に登る作業は転落の危険があります。双眼鏡やカメラで撮影し、異常があれば業者に依頼してください。 |
| 台風に強い屋根にできる? | 軽量金属屋根や防災瓦にできる | 2022年から新築の瓦は全数固定が義務になりました。既存住宅も葺き替えやカバー工法で対応できます。 |
| 台風後は何を確認する? | 通過後48時間以内に目視点検 | 屋根の輪郭、棟板金の浮き、落下した破片、室内のシミを確認し、片付ける前に写真を残してください。 |
この記事でわかること
- 台風で屋根が受ける被害の傾向と、最も壊れやすい部位はどこか
- 屋根に登らずにできる事前点検の方法と、国が示している瓦屋根の簡易チェック項目
- 業者に依頼する台風対策工事の内容と、部位ごとの費用の目安
- 2022年に強化された瓦の固定基準の内容と、既存住宅が取れる選択肢
- 台風の前日・当日・通過後に、それぞれ何をすればよいかの具体的な手順
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もくじ
台風で屋根が受ける被害は「棟板金」と「瓦」に集中する
対策を考える前に、どこが壊れるのかを知っておく必要があります。屋根は全体が均等に傷むのではなく、風の力が集中する部位から順に壊れていきます。
ここでは、被害の多い部位を順に見ていきます。ご自宅の屋根材がどれに当たるかを思い浮かべながら読んでみてください。
被害が最も多いのは棟板金の浮きと飛散
スレート屋根や金属屋根で圧倒的に多いのがこれです。棟板金とは、屋根の頂点にかぶせられた金属のカバーで、屋根面が合わさる部分から雨水が入るのを防いでいます。
この板金は、下にある貫板という木材に釘やビスで固定されています。ところが金属は夏と冬の温度差で伸縮を繰り返すため、年月とともに釘が少しずつ抜けてきます。さらに貫板そのものが湿気で腐ると、釘が効かなくなります。
釘が浮いた状態で強風を受けると、板金は風にあおられて一気にめくれます。飛ばされた板金は近隣の建物や車、通行人に被害を与える危険があり、屋根側は下地がむき出しになって雨漏りに直結します。
初期の段階では、風の強い日に屋根から金属音がする程度の症状です。この音に気づいたら、台風を待たずに点検を依頼してください。
瓦屋根はずれ・脱落が起きる部位に傾向がある
瓦屋根の場合、被害の出方は屋根の部位によって異なります。特に被害が集中するのは、屋根の頂点である「むね」と、屋根の大部分を占める「平部」です。
これは、従来の固定方法に理由がありました。長く使われてきた基準では、軒とけらば(屋根の端部)は端から2枚までの瓦を固定し、むねは1枚おきに固定、平部については固定の規定そのものがなかったのです。
国土交通省が2019年の房総半島台風の被害を分析したところ、従来の基準で施工された瓦屋根では、むねで68%、平部で57%に被害が出ていました。固定されていない瓦は、いったん動き始めると連鎖的にずれていきます。
また、瓦のずれは屋根の上に立たないと分からないことが多く、地上からは「屋根のラインが波打っている」程度の見え方になります。
スレート・金属屋根に出る被害
棟板金以外にも、屋根材そのものの被害があります。スレート屋根は厚さ約5mmと薄いため、飛来物が当たると割れや欠けが生じます。
経年で塗膜が劣化したスレートは水を含んで脆くなっており、通常なら耐えられる衝撃でも割れることがあります。端部が反り上がっている屋根では、そこに風が入り込んで持ち上げられることもあります。
金属屋根の場合は、屋根材そのものが飛ばされるより、留め具の緩みやめくれから始まるパターンが多くなります。錆が進行している箇所は強度が落ちているため、そこが起点になりやすい部分です。
屋根材ごとの特性については屋根塗装に関する記事一覧でも触れています。
雨樋・軒天など付帯部の被害も見落とせない
屋根本体ばかりに目が向きがちですが、付帯部は屋根材より先に傷む部位です。台風のあとに相談が多いのもこの部分になります。
雨樋は風であおられて金具が外れたり、傾いたりします。落ち葉や砂が詰まっていると、雨水があふれて外壁を伝い、思わぬ場所からの浸水につながります。棟板金の次に被害が出やすい部位と考えてください。
軒天は屋根の裏側の天井にあたる部分で、下から吹き上げる風の力を受けます。ベニヤが浮いていたり、シミができていたりする場合は、すでに強度が落ちている可能性があります。
台風の前に自分でできる屋根の対策
ここからは具体的な行動です。大前提として、屋根に登っての作業はしないでください。濡れた屋根材は滑りやすく、脚立やはしごからの転落は重大なけがにつながります。
自分でできるのは、地上からの点検と、屋根以外の備えまでです。ここではその範囲で何ができるかを整理します。
点検は地上から行い、屋根には登らない
必要なのは双眼鏡かスマートフォンだけです。家のまわりを一周しながら屋根を見上げ、気になる箇所を撮影して拡大するという方法で、多くの異常は把握できます。
2階建てなら地上から5メートル以上、1階の屋根でも3メートル前後の高さがあります。この高さからの転落は、骨折で済めば軽いほうで、そのまま介護が必要な状態になることもあります。
スレート屋根の場合、踏む位置を誤ると屋根材そのものを割ってしまいます。良かれと思って上がった結果、被害を自分で作ってしまうことも珍しくありません。
地上から見るべき5つのポイント
見る場所を決めておくと、短時間で確認できます。屋根のライン、棟板金、屋根材、雨樋、庭の落下物の5点です。
1つ目は屋根の輪郭です。遠くから見て、稜線がまっすぐか、波打っていないかを確認します。2つ目は屋根の頂点にある棟板金で、端が浮いていないか、めくれていないかを見ます。
3つ目は屋根材で、色が部分的に濃くなっていないか、割れや欠け、ずれがないかを確認します。4つ目は雨樋で、傾きや外れ、詰まりを見ます。5つ目は庭やベランダで、屋根材の破片が落ちていないかを探します。
破片が落ちていれば、屋根のどこかがすでに欠けている証拠です。同じ角度で毎年撮影しておくと、変化が分かりやすくなります。
瓦屋根は国が示す簡易チェック項目で確認できる
瓦屋根にお住まいの方は、より具体的な確認方法があります。国土交通省は、地上からできる耐風診断の一次チェック項目を公開しています。
挙げられているのは、2001年より前に建てられた瓦屋根で2001年以降に屋根を改修していない、瓦にずれや浮き上がりがある、瓦が著しく破損している、瓦にビスや銅線などによる固定が見当たらない、といった項目です。
いずれかに当てはまる場合は、専門家による二次診断が必要とされています。(出典:国土交通省「令和4年1月1日から瓦屋根の緊結方法が強化されます」)
二次診断は屋根に登って瓦をめくり、固定の状況を確認する作業です。瓦屋根診断技士などの資格を持つ専門家が行うものであり、自分で確認できる範囲ではありません。
屋根以外で今日からできる備え
屋根の工事が間に合わない場合でも、被害を減らす方法はあります。飛来物を減らすことが、結果的に屋根を守ることにつながります。
庭やベランダの鉢植え、物干し竿、自転車、ゴミ箱、園芸用品は屋内へ移動させてください。飛ばされたこれらの物が、自宅や近隣の屋根を直撃します。物置やカーポートの扉も施錠しておきます。
ベランダの排水口に落ち葉が詰まっていれば取り除いておきます。手が届く範囲の雨樋のゴミも同様です。屋外のプロパンガスボンベが固定されているか、ブロック塀やフェンスにぐらつきがないかも確認してください。
雨戸やシャッターがある窓は閉め、ない窓には内側から養生テープを貼るか、カーテンを閉めて飛散に備えます。
台風直前にやってはいけないこと
焦って動くと、かえって危険な状況を作ります。避けたいのは、屋根に登る、ブルーシートを自分でかける、飛びそうな箇所を応急的に固定しようとすることの3つです。
特にブルーシートは、シート自体が風をはらんで持っていかれる危険があります。台風が近づいている状況で屋根の上に長時間いること自体が、事故のリスクを高めます。
すでに屋根に不具合があると分かっている場合でも、台風の直前に無理な作業はしないでください。室内側で被害を抑える準備をし、通過後に業者へ連絡するほうが安全です。
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業者に依頼する屋根の台風対策と費用の目安
本格的な対策は、シーズンが来る前に業者へ依頼するのが基本です。部分的な補修であれば数万円で済むことも多く、飛散してから直すより費用は大幅に抑えられます。
ここでは、台風対策として行われる代表的な工事と費用の目安を紹介します。金額はいずれも足場が不要な場合を想定した目安であり、高所作業では別途足場代が加算されます。
棟板金の固定・交換|3万〜20万円
台風対策として最も優先度が高いのがこれです。釘が抜けている場合は打ち直してコーキングで穴をふさぐ処置で対応でき、この程度なら1万円から5万円程度で済みます。
ただし、釘を打ち直しても熱膨張でまた抜けてきます。根本的に直すなら、抜けにくいビスへの交換が有効です。下の貫板が腐っている場合は、板金と貫板をまとめて交換することになり、3万円から20万円が目安になります。
交換の際は、貫板を樹脂製のものにしておくと腐食しません。木材と違って湿気で劣化しないため、次に飛ばされるリスクを大きく下げられます。屋根塗装のタイミングで一緒に依頼すると効率的です。
瓦のずれ直し・漆喰の詰め直し|3万〜20万円
瓦屋根では、ずれた瓦を戻して固定する作業と、むねの漆喰を詰め直す作業が中心になります。漆喰はむね瓦を固定している土を守る役割があり、剥がれると瓦が動きやすくなります。
瓦のずれ直しや差し替えは1万円から5万円程度、漆喰の詰め直しは3万円から20万円が目安です。むね全体を積み直す場合は、さらに費用が上がります。
むねの内部に耐震金具と芯材を入れ、冠瓦をねじで固定する方法もあります。強風にも地震にも効果があり、瓦屋根を残したまま強度を高めたい場合の選択肢になります。
スレートの割れ補修・雨樋の修理|5千〜60万円
割れたスレートは、差し替えで対応します。1枚あたり1万円前後、数枚まとめて1万円から5万円程度が目安です。放置すると、そこから水が入って下地を傷めます。
雨樋は、詰まりの除去や金具の部分補修なら5,000円から3万円程度。経年劣化で全体を交換する場合は15万円から60万円が目安になります。高所であれば足場代が加わります。
軒天のベニヤ張り替えは1平方メートルあたり3,000円から6,000円程度です。いずれも単独で足場を組むと割高になるため、他の工事とまとめるのが合理的です。
各工事の価格帯は料金とプランのページ、対応できる工事の範囲は対応工事の一覧で確認できます。
屋根塗装や外壁塗装のタイミングで一緒に行う
費用面で最も効率がよいのがこの方法です。足場代は1回組むごとに15万円から25万円かかり、工事内容にかかわらず発生します。
屋根塗装や外壁塗装の際には必ず足場を組むため、そのタイミングで棟板金のビス留め直しや貫板の交換、雨樋の補修をまとめて行えば、足場代は1回分で済みます。
塗装工事の見積もりを取る際に、「台風対策として一緒にやっておいたほうがよい箇所はありますか」と聞いてみてください。診断のうえで提案してもらえます。
台風に強い屋根にするための工事と、2022年の基準強化
部分的な補修では追いつかないほど劣化が進んでいる場合や、屋根の耐風性能そのものを高めたい場合は、より大きな工事を検討することになります。近年は瓦の固定に関する法的な基準も変わっています。
ここでは、基準強化の内容と、既存住宅が取れる選択肢を整理します。
2022年から新築の瓦は全数固定が義務になった
2019年の房総半島台風で瓦屋根の被害が相次いだことを受け、国は基準を見直しました。2020年12月に告示が公布され、2022年1月1日以降に着工する建築物では、瓦屋根の固定方法が強化されています。
変わったのは2点です。1つ目は固定する箇所で、従来は軒とけらばが端から2枚まで、むねが1枚おき、平部は規定なしだったものが、すべての瓦を固定することになりました。
2つ目は固定方法で、瓦の種類と部位、その地域の基準風速に応じた具体的な方法が定められました。固定の強さは銅線や鉄線より釘、釘よりねじの順に強くなるとされ、部位ごとに使い分けられます。
国の被害分析では、強化された方法で施工された瓦屋根とそうでない屋根とで、被害の出方に差がありました。むねの被害割合は27%と68%、軒とけらばでは11%と43%という開きが報告されています。
既存の瓦屋根に改修の義務はない
ここは不安に思われやすい点なので、はっきりさせておきます。基準が変わったからといって、今お住まいの家の屋根をすぐに直さなければならないわけではありません。
基準改正前に建てられた住宅は、法律上「既存不適格」という扱いになりますが、ただちに適合を求められることはありません。増改築を行う場合も、増改築部分以外には基本的に新基準は適用されない扱いです。
ただし、下地まで含めて屋根を全面的に葺き替える場合は、新しい基準に適合させる必要があります。逆にいえば、葺き替えのタイミングが耐風性能を上げる機会になります。
軽量な金属屋根への葺き替え・カバー工法
選択肢として多いのが、屋根材そのものを変える方法です。ガルバリウム鋼板などの金属屋根は1平方メートルあたり5kg前後と軽く、瓦のおよそ10分の1の重さになります。
重量が減ることで建物の重心が下がり、地震への強さも増します。既存がスレート屋根で下地が健全であれば、撤去せずに重ねるカバー工法が使え、60万円から200万円程度が目安です。
既存が瓦屋根の場合や、下地が傷んでいる場合は葺き替えになり、80万円から250万円程度になります。屋根材の選び方は屋根のガルバリウムで後悔しないための7つのポイント、工法の内容はカバー工事に関する記事一覧を参考にしてください。
瓦を残すなら防災瓦という選択肢
瓦屋根の見た目を残したい場合は、防災瓦への葺き替えという方法があります。瓦どうしをかみ合わせる構造になっており、1枚が動いても連鎖的にずれにくい設計です。
現行の基準に沿って全数を固定するため、従来の瓦屋根より強風に対する性能は大きく上がります。素材としての寿命も長く、塗装によるメンテナンスが不要な点も利点です。
ただし重量は金属屋根より重くなります。耐震性を優先するのか、瓦の意匠と耐久性を優先するのかで、選ぶ方向が変わります。
耐風診断と改修には補助制度がある
費用面では、公的な支援が用意されている場合があります。瓦屋根の耐風診断と耐風改修工事を対象とした補助制度が設けられています。
国が示す枠組みでは、耐風診断の補助対象限度額は1棟あたり31,500円、耐風改修工事は屋根面積1平方メートルあたり24,000円を乗じた額(1棟あたり上限240万円)が補助対象限度額とされています。
対象となるのは、基準風速が32m/s以上の区域や、地方公共団体が指定する区域などです。実施の有無や条件は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の建築指導課へ確認してください。
多くの制度は工事契約の前に申請が必要で、予算枠に達すると締め切られます。検討を始めた段階で問い合わせておくのが確実です。
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台風が来る前日・当日にすること
工事が間に合わない状況でも、直前の行動で被害の大きさは変わります。この段階の目的は屋根を直すことではなく、被害を最小限にとどめることです。
ここでは、前日までにやること、当日の過ごし方、そして雨漏りが起きたときの初動を説明します。
前日までにやること
飛ぶものをなくす作業が中心になります。屋外に置いてあるもので、持ち上げられそうなものはすべて屋内へ移動させてください。
雨戸やシャッターを閉め、ない窓は内側から補強します。排水口や雨樋の詰まりを、手の届く範囲で取り除いておきます。停電に備えて懐中電灯とモバイルバッテリーを充電し、断水に備えて浴槽に水を張っておくと安心です。
バケツ、雑巾、古タオル、ビニールシート、吸水シートを1か所にまとめておくと、雨漏りが起きたときにすぐ動けます。ホームセンターや100円ショップで揃うもので十分です。
天井や壁の現状を撮影しておくと、被害の前後を比較できます。火災保険を申請する際の材料にもなります。
当日は屋根に近づかない
当日にできることは、ほとんどありません。強風のなかで屋外に出ること自体が危険であり、屋根の様子を見に行く必要はありません。
風で屋根から音がしても、その場で確認しようとしないでください。飛来物が飛び交う状況では、屋外にいるだけで負傷の危険があります。窓のそばにも近づかないほうが安全です。
確認は通過後に行います。夜間に音がした場合も、朝を待ってから外に出てください。
室内で雨漏りが起きたときの初動
台風の最中に雨漏りが起きた場合、順番があります。最初に確認するのは電気です。天井の照明から水が滴っている、コンセント周辺が濡れているという状態は、漏電の危険がある状況と考えてください。
この場合は、分電盤で該当する回路のブレーカーを落とします。どの回路か分からなければ、主幹ブレーカーを落として構いません。濡れた手で分電盤に触れないよう注意してください。
次に、家電や家具を濡れない場所へ移動させます。それから床にビニールシートを敷き、バケツを置いて水を受けます。バケツの中に雑巾を入れておくと、水滴が跳ねません。
雨漏りと給排水管の水漏れは症状が似ています。判断に迷う場合は雨漏りと水漏れの違い・原因別の見分け方を参考にしてください。
台風が過ぎたあとの点検と、修理の進め方
通過後の確認は、早いほど有利です。被害を放置したまま次の雨を迎えると、そこから浸水が始まります。
ここでは、いつ何を確認するか、症状がなくても点検すべき理由、そして業者に連絡するときの伝え方を説明します。
通過後48時間以内に地上から確認する
風が収まって安全になったら、まず家のまわりを一周します。確認するのは、屋根の輪郭、棟板金の浮きやめくれ、屋根材のずれや欠け、雨樋の外れ、そして落下物の5点です。
庭やベランダ、道路に屋根材の破片や板金が落ちていないかを探してください。破片があれば、屋根のどこかが欠けています。近隣の敷地に自宅の部材が飛んでいないかも確認します。
外壁も見ておきます。飛来物が当たった傷、新しいひび割れ、シーリングの切れがないかを確認してください。ここから雨水が入ることがあります。
見つけた症状は、必ず写真に残してください。全体が分かる引きの写真と、損傷部分に寄った写真の両方を撮っておくと、保険申請でも修理の相談でも役立ちます。
屋根裏と室内側も確認する
外から見えなくても、内部で浸水が始まっていることがあります。天井や壁のシミ、壁紙の浮き、カビ臭さ、窓まわりの濡れを確認してください。
屋根裏に点検口がある住宅では、懐中電灯で照らして木材が濡れていないかを見ておきます。ただし、足を踏み外すと天井を踏み抜くため、奥まで進まないようにしてください。
押し入れやクローゼットの奥、2階の部屋の隅も見ておきましょう。日常的に目が届かない場所ほど、発見が遅れがちです。
症状がなくても点検を受けたほうがよい理由
台風のあとに何も起きなかったから大丈夫、と考えるのは危険です。屋根の被害は、雨漏りとして症状が出るまでに時間差があります。
棟板金が浮いただけの段階では、すぐに雨漏りするとは限りません。しかし固定が緩んだ状態は次の強風で飛散につながり、そのときには下地が傷んでいます。数週間後や数か月後に天井のシミとして現れることもあります。
また、火災保険の請求権は被害の発生から3年で時効になります。台風から時間が経つほど、その台風による被害だと証明することも難しくなります。気になることがあれば早めに点検を受けてください。
業者に連絡するときに伝えること
最初の連絡で状況が正確に伝わると、対応が早くなります。いつの台風か、どこにどんな症状が出ているか、屋根材は何か、築年数はどれくらいかの4点を整理しておいてください。
撮影した写真を先に共有できると、現地調査の前におおよその見当がつきます。屋根に登らずに撮った写真で構いません。
台風のあとは依頼が集中し、調査まで数日から数週間待つこともあります。急ぎであればその旨を伝え、待つあいだの応急処置について指示を仰いでください。お近くの拠点は店舗一覧のページから確認できます。
| [無料相談受付中]台風のあとの緊急点検も承ります 365日24時間受付、即日お伺いできる場合もございます。火災保険が使えるかどうかの確認や、被害状況の写真撮影までサポートいたします。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |
台風被害の火災保険と、訪問業者への注意
台風で屋根が壊れた場合、修理費用が補償される可能性があります。火災保険は火事だけの保険ではなく、風災による損害も対象としているためです。
ここでは補償の条件と申請の流れ、そして台風後に増える訪問業者への対応を整理します。
補償の対象になる条件と、対象外のケース
補償されるのは、自然災害によって建物が壊れ、その因果関係がはっきりしている場合です。強風で棟板金が飛ばされた、瓦が脱落した、飛来物で屋根材が割れたといったケースが該当します。
一方、経年劣化が原因の損傷は対象外です。貫板が腐って釘が緩んでいた、瓦がもともとずれていた、といった状態は必然的な劣化と判断されることがあります。判断は保険会社の鑑定によります。
まずは保険証券で風災補償の有無と免責金額を確認してください。被害の発生から3年を過ぎると請求権は時効になります。
申請の流れと、工事を始めるタイミング
手順は決まっています。被害を確認したらまず保険会社か代理店へ連絡し、そのうえで修理業者に見積もりを依頼するという順番です。
必要になるのは、保険金請求書、修理費用の見積書、被害状況が分かる写真、事故内容の報告書などです。その後、保険会社の鑑定人による現地調査を経て、審査と支払いに進みます。
注意したいのが工事のタイミングです。保険金の支払いが決まる前に本工事を進めると、被害状況を証明できなくなる恐れがあります。応急処置は先に行ってよいですが、着手前の写真は必ず残してください。
台風後に増える訪問業者への対応
台風のあとは、突然訪問してくる業者が増える時期です。近所で工事をしているので挨拶に来た、屋根が浮いているのが見えたので無料で点検する。こうした切り出し方が典型的な手口になります。
不安な状況につけ込まれると、その場で高額な契約を結んでしまいがちです。点検と称して屋根材をわざと破損させる被害も報告されており、自分の目が届かない場所での作業は避けるべきです。
保険金が確実に下りると断言する、被害と関係ない工事まで保険で賄えると説明する、保険申請のサポート料を請求する。こうした説明が出てきたら契約は見送ってください。訪問販売による契約は、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。
判断に迷ったときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。点検は、自分で選んだ業者に依頼するのが原則です。実際の施工内容は施工事例のページで確認できます。
まとめ|台風の屋根対策は、シーズンが来る前の点検で決まる
台風による屋根の被害は、棟板金の飛散と瓦のずれ・脱落に集中します。どちらも、傷み始めた段階では地上から見ても分かりにくく、気づいたときには飛ばされているという性質を持っています。
自分でできるのは、地上からの目視点検までです。屋根のライン、棟板金、屋根材、雨樋、落下物の5点を確認し、瓦屋根であれば国が示す簡易チェック項目に当てはまらないかを見てください。屋根に登る作業は避けてください。
本格的な対策は、シーズンが来る前に業者へ依頼するのが基本です。棟板金の固定なら数万円で済むことも多く、飛ばされてから直すより費用は大幅に抑えられます。屋根塗装や外壁塗装と同時に行えば、足場代も1回分で済みます。
2022年からは新築の瓦屋根で全数固定が義務になりました。既存住宅にすぐ改修の義務はありませんが、葺き替えを行うなら新しい基準に沿った施工になります。耐風診断や改修には補助制度が用意されている場合もあります。
台風が過ぎたら、48時間以内に地上から確認し、症状の有無にかかわらず写真を残してください。そして何より、劣化した屋根を放置しないことが最大の台風対策になります。気になる箇所があるうちに、一度点検を受けてみてください。
| [無料相談受付中]被害が出る前に、一度点検を受けてみませんか 点検・調査・お見積もりはすべて無料です。棟板金の補修から葺き替えまで、最長50年のトリプル安心保証でお住まいをお守りします。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |