屋根の葺き替えは、住まいのメンテナンスのなかでも規模が大きく、金額の張る工事です。業者から100万円を超える見積もりを提示されて、これが妥当な金額なのか判断できずに手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
葺き替え費用の相場は、一般的な戸建て住宅で80万円から250万円と幅があります。この開きは、屋根の面積、選ぶ屋根材、既存の屋根が何でできているか、そして下地がどこまで傷んでいるかで決まります。
逆にいえば、この4つの条件さえ分かれば、ご自宅の葺き替えがどのあたりの金額になるかは事前に見当がつきます。見積書も、6つの項目に分けて読めば内容を比較できるようになります。
この記事では、葺き替え費用の相場と屋根面積の求め方、見積書の内訳、屋根材別の費用、カバー工法との違い、そして補助金を含めた費用の抑え方までまとめました。見積書を手に取りながら読み進めてみてください。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 葺き替え費用の相場は? | 80万〜250万円が目安 | 一般的な戸建てでは100万〜200万円が中心です。屋根面積と選ぶ屋根材で総額がほぼ決まります。 |
| 費用の内訳は? | 材料費と施工費で7〜8割 | 残りは足場代、既存屋根材の撤去処分費、下地補修、諸経費です。足場だけで15万〜25万円かかります。 |
| カバー工法とどちらが安い? | カバー工法のほうが2〜5割安い | ただし下地が傷んでいる場合や瓦屋根では選べません。屋根の状態によって取れる選択肢が変わります。 |
| 費用を抑える方法は? | 外壁工事と同時に行うこと | 足場代を1回分にまとめられます。自治体の補助金や火災保険が使えるかもあわせて確認してください。 |
この記事でわかること
- 屋根の葺き替え費用の相場と、坪数や屋根面積から総額を見積もる方法
- 見積書を6つの項目に分解して読む方法と、それぞれの単価の目安
- ガルバリウム鋼板・スレート・瓦など、屋根材別に見た葺き替え費用の違い
- カバー工法との費用差と、葺き替えを選ぶべきケースの判断基準
- 補助金や火災保険の活用を含めた、費用を抑えるための5つの方法
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もくじ
屋根の葺き替え費用の相場は80万〜250万円|まず総額の目安をつかむ
最初に全体像を押さえておきましょう。葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、下地から作り直して新しい屋根材を葺く工事を指します。屋根リフォームのなかでは最も大掛かりな工法です。
ここでは、一般的な戸建てでの費用帯、屋根面積の求め方、坪数別の目安、そして金額が上振れする条件の4点から、ご自宅の総額を推定する材料を整理します。
一般的な戸建てなら100万〜200万円が中心
葺き替え費用の相場は80万円から250万円と広く語られますが、実際に多くの住宅が収まるのは100万円から200万円の範囲です。屋根面積80平方メートルから120平方メートル程度の2階建てを想定した金額になります。
この幅が生まれるのは、選ぶ屋根材の価格差が大きいことと、既存の屋根が何かによって撤去費が変わるためです。同じ家でも、金属屋根に葺き替えるか瓦にするかで50万円以上の差が出ます。
なお、平屋であれば屋根面積は2階建てより広くなる傾向がありますが、足場が低く済むぶん足場代は下がります。建物の形状によって条件が変わるため、最終的には現地調査での確認が必要です。
屋根面積は「建築面積×勾配係数」で求める
見積もりの前に自分でおおよその面積を知りたい場合、計算方法があります。屋根は傾いているため、真上から見た面積より実際の表面積のほうが広くなります。
この差を補正するのが勾配係数です。建築面積に係数をかけて屋根面積を求めます。3寸勾配なら約1.03、4寸勾配なら約1.05、5寸勾配なら約1.08、6寸勾配なら約1.12が目安です。
一般的な住宅で多い4寸勾配、建築面積が60平方メートルの2階建てであれば、60×1.05でおよそ63平方メートル。これに軒の出やケラバの張り出しが加わるため、実際は70平方メートル前後になります。
見積書に屋根面積が平方メートル単位で書かれていない場合は、必ず確認してください。面積が分からなければ単価の妥当性を判断できず、複数社の比較もできません。
坪数別に見た費用の目安
建物の大きさから当たりをつけたい方のために、坪数ごとの目安を挙げます。あくまで概算であり、屋根材や下地の状態で上下します。
建坪20坪程度(屋根面積60〜70平方メートル)で80万円から150万円、25坪程度(同70〜90平方メートル)で100万円から190万円、30坪程度(同90〜110平方メートル)で120万円から220万円といったところです。
40坪を超える住宅や、屋根の面が多い寄棟造、複雑な形状の屋根では、同じ面積でも施工の手間が増えるため単価が上がります。逆に、切妻造のようにシンプルな形状であれば費用は抑えやすくなります。
費用が上振れしやすい4つの条件
見積もりが想定より高くなるケースには、いくつかのパターンがあります。あらかじめ知っておくと、金額を提示されたときに理由を確認しやすくなります。
1つ目は、下地の野地板が腐っている場合です。表面からは分からず、既存の屋根材を剥がして初めて判明することもあります。2つ目は、既存の屋根がアスベストを含む場合で、撤去と処分の単価が上がります。
3つ目は、隣家との距離が近く足場を組みにくい立地や、前面道路が狭くトラックを寄せられない場合です。4つ目は、3階建てや急勾配の屋根で、安全対策の費用が加算されるケースです。
これらの条件は現地を見なければ判断できません。電話やメールだけの概算見積もりで契約を進めるのは避け、必ず現地調査を受けたうえで金額を確定させてください。
葺き替え費用の内訳|見積書は6つの項目に分解できる
総額だけを見比べても、どちらが適正なのかは判断できません。葺き替えの見積書は、6つの項目に分けて読むと構造が見えてきます。
全体に占める割合の目安は、材料費が35〜45%、施工費が30〜40%、残りが足場代や撤去処分費、諸経費です。ここからは各項目の内容と単価の目安を順に説明します。
1. 足場代|15万〜25万円
屋根工事に足場は欠かせません。単価は1平方メートルあたり700円から1,200円程度で、一般的な戸建てなら15万円から25万円が目安になります。
この費用は工事の内容にかかわらず発生します。屋根材の撤去中に破片が飛散しないよう養生シートを張る費用も、ここに含まれるのが一般的です。
足場は1回組むごとに費用がかかるため、外壁塗装など他の高所工事を予定しているなら同時期に行うのが合理的です。この点は費用を抑える方法の章で詳しく触れます。
2. 既存屋根材の撤去・処分費|10万〜40万円
葺き替えがカバー工法より高くなる最大の理由がこの項目です。既存の屋根材を剥がし、産業廃棄物として処分するための費用が必要になります。
単価の目安は、スレート屋根で1平方メートルあたり1,500円から3,000円、瓦屋根で2,000円から4,000円程度です。瓦は重量があるため、運搬と処分の費用が上がります。
アスベストを含む屋根材の場合は、1平方メートルあたり3,000円から6,000円程度まで上がります。飛散防止の措置と法定の手続きが必要になるためで、詳細は屋根材別の章で説明します。
3. 下地(野地板)の補修・増し張り|10万〜40万円
屋根材を剥がすと、その下の野地板が現れます。ここが傷んでいるかどうかで金額が大きく変わる項目であり、葺き替えの見積もりで最も読みにくい部分でもあります。
既存の野地板の上に新しい合板を重ねる増し張りであれば、1平方メートルあたり2,000円から3,500円程度。腐食が進んでいて張り替えが必要な場合は、3,000円から6,000円程度になります。
雨漏りが長期間続いていた住宅では、垂木という下地の骨組みまで傷んでいることがあります。ここまで進むと補修範囲が広がり、費用も工期も増えます。
見積もりの段階では下地の状態が確定できないため、多くの業者は「解体後に確認して別途見積もり」とします。この扱いを事前に確認しておくことが、後の追加請求をめぐるトラブルを防ぎます。
4. 防水シート(ルーフィング)|5万〜15万円
見落とされがちですが、実は雨漏りを防ぐ主役はこの部材です。屋根材の下に敷かれた防水シートが、屋根材の隙間から入った水を建物内部に入れない役割を担っています。
単価は1平方メートルあたり500円から1,500円程度。一般的なアスファルトルーフィングは耐用年数15年から20年、ゴムや樹脂を加えた改質アスファルトルーフィングは20年から30年程度と、グレードによって寿命が変わります。
屋根材の耐用年数が30年あっても、防水シートが20年で寿命を迎えれば、そこから雨漏りが始まります。屋根材と防水シートの寿命を揃えておくのが、次の工事を先延ばしにするコツです。
葺き替えは防水シートを新しくできる唯一の工法です。見積書にどのグレードのルーフィングが使われるかが書かれているか、確認してみてください。
5. 新しい屋根材の材料費・施工費|40万〜150万円
総額に最も大きく影響するのがここです。屋根材の種類によって1平方メートルあたり4,500円から15,000円と、3倍以上の開きがあります。
この項目には、屋根材本体だけでなく、棟板金や軒先の水切り、ケラバの役物といった部材の費用も含まれます。役物は屋根の端部を納めるための部材で、雨仕舞いの要になる部分です。
屋根材ごとの具体的な価格差は次の章で整理します。ここでは、屋根材の選択が総額を決めるという点を押さえておいてください。
6. 諸経費・廃材処分費|工事費の5〜10%
最後が諸経費です。現場管理費、交通費、駐車場代、書類作成費などがまとめられた項目で、工事費全体の5%から10%程度を見込むのが一般的です。
この項目の扱いは業者によって差があります。廃材処分費を撤去費に含める業者もあれば、諸経費に入れる業者もあり、内訳の書き方は統一されていません。
諸経費の割合が極端に高い見積書は、内容を確認してください。何が含まれているのかを説明できない場合、金額の根拠が曖昧である可能性があります。
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【屋根材別】葺き替え費用の相場と選び方
葺き替えの総額は、どの屋根材を選ぶかでほぼ決まります。軽さ、耐用年数、初期費用の3つはトレードオフの関係にあり、すべてを満たす屋根材はありません。
ここでは代表的な4種類の屋根材について、費用と特性を整理します。あわせて、既存の屋根が瓦の場合とアスベストを含む場合の追加費用にも触れます。
ガルバリウム鋼板|総額80万〜180万円
現在の葺き替えで最も選ばれているのがガルバリウム鋼板です。アルミと亜鉛の合金でめっきされた金属屋根材で、1平方メートルあたり6,000円から10,000円が目安になります。
最大の利点は軽さです。1平方メートルあたり5kg前後と、瓦のおよそ10分の1しかありません。建物への負担が小さく、耐震性を高める目的の葺き替えでよく選ばれます。耐用年数は25年から35年程度です。
一方で、金属であるため雨音が響きやすく、夏の熱を伝えやすいという特性があります。断熱材が一体になった製品を選ぶことで、この2点はかなり緩和できます。
選び方や注意点は屋根のガルバリウムで後悔しないための7つのポイントにまとめています。断熱を強化したい場合は屋根の断熱材の種類と選び方もあわせてご覧ください。
スレート(化粧スレート)|総額70万〜150万円
セメントを主原料とした薄い板状の屋根材で、コロニアルやカラーベストの名前で知られています。1平方メートルあたり4,500円から8,000円と、初期費用を最も抑えやすい選択肢です。
軽量で施工しやすく、色やデザインの選択肢も豊富です。ただし、防水性を表面の塗膜に頼る構造のため、7年から10年ごとの塗装が前提になります。耐用年数は20年から30年程度です。
初期費用は安く済みますが、塗装を繰り返す前提で考えると、30年間の総支出では金属屋根と大きく変わらないこともあります。目先の金額だけでなく、次の30年で何回メンテナンスするかを含めて比較してください。
アスファルトシングル|総額70万〜150万円
ガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に石粒を吹き付けたシート状の屋根材です。1平方メートルあたり5,000円から8,500円で、柔らかく曲面にも施工できるのが特徴になります。
軽量で、金属屋根より雨音が静かという利点があります。石粒による独特の質感があり、デザイン性を重視する住宅で選ばれることがあります。耐用年数は20年から30年程度です。
注意点として、強風で端部がめくれやすいこと、表面の石粒が経年で剥がれ落ちることが挙げられます。施工実績のある業者を選ぶことが、この屋根材では特に重要になります。
瓦(防災瓦)|総額120万〜250万円
初期費用は最も高くなりますが、素材そのものの寿命が長いのが瓦です。1平方メートルあたり8,000円から15,000円で、耐用年数は50年以上とされています。
現在主流の防災瓦は、瓦どうしをかみ合わせて固定する構造になっており、従来の瓦より飛散しにくくなっています。塗装によるメンテナンスが不要な点も、長期的には費用面の利点です。
ただし重量があるため、既存が軽い屋根材の住宅を瓦に葺き替える場合は、建物の構造上の検討が必要になります。耐震性を高める目的の葺き替えでは、逆行する選択になる点に注意してください。
既存が瓦・土葺きの場合は撤去費が上がる
既存の屋根が何であるかも、費用を左右します。特に注意が必要なのが、瓦の下に大量の土が敷かれた「土葺き」の屋根です。
築40年以上の住宅で見られる工法で、瓦を固定するために葺き土が使われています。この土は1平方メートルあたり数十kgに達することもあり、撤去と処分の手間と費用が通常の瓦屋根よりさらに増えます。
一方で、土葺きの屋根を軽量な金属屋根に葺き替えると、屋根の重量が劇的に下がります。耐震性の向上という点では効果が大きく、自治体の耐震改修補助の対象になることもあります。
アスベストを含む場合の追加費用と手続き
おおむね2004年より前に建てられた住宅では、屋根材にアスベストが含まれている可能性があります。含有している場合、撤去と処分の単価が上がるうえ、法律で定められた手続きが必要になります。
2021年4月以降、建築物の解体・改修工事では規模を問わず事前調査が義務づけられており、2022年4月からは一定規模以上の工事で調査結果の報告も必要です。2023年10月からは有資格者による調査が求められています。
費用面では、アスベストなしの場合と比べて総額で30万円前後の差が出ることもあります。このため、既存屋根材を撤去せずに済むカバー工法が選ばれるケースが多くなります。両工法の比較は次の章で説明します。
カバー工法との違いと、どちらを選ぶべきか
葺き替えを検討していると、必ず比較対象として挙がるのがカバー工法です。既存の屋根材を撤去せず、その上に防水シートと新しい屋根材を重ねる工法で、重ね葺きとも呼ばれます。
ここでは費用と工期の違い、それぞれを選ぶべきケース、そして生涯コストでの考え方を整理します。
費用と工期の違い
数字で比べると差は明確です。カバー工法の費用は80万円から150万円程度で、葺き替えより2割から5割ほど安く収まります。
差が出る理由は、既存屋根材の撤去費と処分費が不要になるためです。この2項目だけで10万円から40万円、アスベストを含む場合はさらに大きな金額になります。
工期も違います。葺き替えが2週間前後かかるのに対し、カバー工法は1週間から2週間程度。撤去作業がないぶん、雨に降られるリスクも下がります。
カバー工法の実際の施工内容はカバー工事に関する記事一覧で確認できます。
葺き替えを選ぶべきケース
安いからカバー工法、と単純に決められないのが屋根工事です。下地の状態によっては、葺き替え以外に選択肢がありません。
葺き替えが必要なのは、すでに雨漏りが発生している、屋根に上がるとたわむ感触がある、屋根裏の木材が濡れている、防水シートが寿命を迎えている、といったケースです。下地が傷んだ状態で上から重ねても、内部の腐食は進み続けます。
既存が瓦屋根の場合も、原則としてカバー工法は選べません。瓦は表面に凹凸があり、その上に平らな屋根材を重ねられないためです。
築30年を超えている住宅では、屋根材そのものより下地と防水シートの寿命が判断材料になります。屋根材がまだ使えそうに見えても、その下が限界を迎えていることは珍しくありません。
カバー工法を選べるケース・選べないケース
一方、条件が合えばカバー工法は有力な選択肢です。既存がスレートや金属屋根で平らであること、下地の野地板が健全であること、この2点が揃っていれば検討できます。
アスベストを含むスレート屋根であれば、撤去に伴う費用と手続きを避けられるため、カバー工法の利点は特に大きくなります。屋根材を割らずに済むぶん、飛散のリスクも抑えられます。
選べないのは、瓦屋根である、下地が腐っている、すでにカバー工法を1度行っている、屋根の重量を増やせない事情がある、といった場合です。屋根が二重になるため、建物への負担は確実に増えます。
生涯コストで比較すると判断が変わることもある
目先の金額だけで決めると、後で割高になることがあります。その家にあと何年住むかを起点に考えると、判断の軸が定まります。
たとえば、カバー工法で100万円、葺き替えで160万円という見積もりだったとします。カバー工法を選んで15年後に下地の劣化で葺き替えが必要になれば、合計260万円かかることになります。
逆に、あと10年から15年住めればよいという状況であれば、カバー工法で費用を抑える判断は合理的です。どちらが正解ということはなく、条件と期間によって答えが変わります。
判断に迷う場合は、下地の状態を確認したうえで両方の見積もりを出してもらってください。工事後の保証内容もあわせて比べると、判断材料が増えます。保証の考え方は保証制度についてのページにまとめています。
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屋根の葺き替え費用を抑える5つの方法
葺き替えは金額の大きい工事だからこそ、進め方の工夫が効いてきます。値引き交渉よりも、制度の活用と工事のまとめ方で差がつきます。
ここでは、効果の大きい順に5つの方法を紹介します。いずれも工事の契約前に検討しておく必要があるものばかりです。
1. 外壁工事と同時に行って足場代を1回にまとめる
最も確実に効果があるのがこの方法です。足場代は1回組むごとに15万円から25万円かかり、この費用は工事内容にかかわらず発生します。
屋根の葺き替えと外壁塗装を別々の年に行えば、足場代を2回払うことになります。同時に実施すれば1回分で済み、それだけで20万円前後の節約になります。
雨樋の交換、破風板や軒天の補修、ベランダ防水なども高所作業です。今後5年以内にメンテナンスが必要な箇所があるなら、この機会にまとめて相談する価値があります。
屋根と外壁を組み合わせた工事の考え方は、リフォームに関する記事一覧でも紹介しています。
2. 自治体の補助金・助成金を確認する
屋根の葺き替えそのものを対象とする制度は多くありませんが、目的によっては補助の対象になることがあります。
代表的なのが耐震改修関連の制度です。重い瓦屋根から軽量な金属屋根への葺き替えは、建物の重心を下げて揺れに強くする効果があるため、木造住宅の耐震改修補助の対象に含まれる自治体があります。
断熱性能の向上を伴う工事であれば、省エネ関連の制度が使える場合もあります。台風被害の多い地域では、屋根の耐風改修を対象とした独自の制度を設けている自治体もあります。
お住まいの地域で使える制度は、国土交通省が公開しているリフォーム支援制度の関連リンク集から、地方公共団体の支援制度検索サイトや国の補助事業の公式サイトにたどることができます。
注意したいのは申請のタイミングです。多くの制度は工事契約の前に申請が必要で、着工後では受け付けてもらえません。予算枠に達した時点で締め切られる制度も多いため、検討を始めた段階で自治体の窓口に確認してください。
3. 火災保険が使えるか確認する
原因が自然災害であれば、修理費用が補償される可能性があります。台風や強風、大雪、雹、飛来物によって屋根が壊れた場合が対象です。
経年劣化による葺き替えは対象外ですが、災害で破損した部分の復旧費用として保険金が下り、その分を葺き替え費用に充てられるケースはあります。まずは保険証券で風災補償の有無と免責金額を確認してください。
被害の発生から3年を過ぎると請求権が時効になります。過去の台風で気になる箇所があった場合は、早めに点検を受けておくとよいでしょう。
なお、保険金が確実に下りると断言する業者や、保険申請のサポート料を請求する業者には注意が必要です。判断に迷ったら、消費者ホットライン「188」に相談できます。
4. 2〜3社の相見積もりで内訳を比較する
相見積もりの目的は、安い業者を探すことではありません。複数の見積書を並べることで、本当に必要な工事と過剰な工事が浮かび上がります。
比べるべきは総額ではなく内訳です。屋根面積、屋根材の商品名、防水シートのグレード、下地補修の扱い、足場代の有無。この5点が揃っていれば、同じ土俵で比較できます。
2社から3社に絞るのが現実的です。多すぎると現地調査の日程調整だけで時間がかかり、屋根の劣化はその間も進みます。
極端に安い見積もりには理由があります。防水シートのグレードを下げている、下地補修を含めていない、役物の費用が抜けている、といった可能性を確認してください。
5. 繁忙期を避けて相談する
意外に効くのが時期の調整です。台風シーズンの直後や、年度末は屋根工事の依頼が集中します。
需要が集中する時期は職人の手配が難しく、工期も延びがちです。急ぎでない工事であれば、比較的落ち着いた時期に相談することで、日程の融通が利きやすくなります。
また、梅雨や台風の時期は工事の中断が増え、養生期間が長くなります。屋根を剥がした状態で雨に降られるリスクを考えると、天候の安定した時期を選ぶほうが安心です。
ただし、雨漏りが起きている場合は時期を待つべきではありません。被害が広がるほど下地の補修範囲が広がり、結果的に費用は増えます。
葺き替えの見積書で確認したい項目と、業者選びのポイント
葺き替えは、完成後に中身を確認できない工事です。屋根材を剥がした下がどうなっていたか、どんな防水シートが敷かれたかは、写真でしか確認できません。
だからこそ、契約前の見積書と業者の姿勢が重要になります。ここでは確認すべき項目と、業者を見極める視点を整理します。
「一式」表記の見積書は比較できない
最初に確認したいのが記載の粒度です。「屋根葺き替え工事一式 150万円」とだけ書かれた見積書では、何が含まれているのか判断できません。
最低限あるべきなのは、屋根面積の平方メートル数、新しい屋根材のメーカー名と商品名、防水シートの商品名またはグレード、既存屋根材の撤去処分費、下地補修の内容、足場代、諸経費です。
一式表記が多い見積書を受け取ったら、内訳の提出を依頼してください。説明を求めたときの対応そのものが、その業者の姿勢を判断する材料になります。
下地補修の扱いを事前に確認する
葺き替えで最もトラブルになりやすいのが、この項目です。下地の状態は屋根材を剥がすまで確定できず、追加費用が発生しやすい部分だからです。
確認しておきたいのは3点。見積もりに下地補修がどこまで含まれているか、想定を超えた場合の単価はいくらか、追加が必要になったときにどう連絡し承諾を得るか、という手順です。
良心的な業者は、あらかじめ一定範囲の補修費を見込んだうえで、超過分の単価も明示します。「解体してみないと分からない」で終わらせず、条件つきでも金額を示せるかどうかが分かれ目です。
また、既存屋根材を剥がした状態の写真を撮ってもらう約束をしておいてください。完成後には見えなくなる部分だからこそ、記録が必要になります。
保証の内容と期間を書面で確認する
葺き替えは30年前後を見据えた工事です。同じ金額なら、保証期間が長く内容が明確な業者を選ぶほうが結果的に得になります。
確認すべきは、保証書が発行されるか、雨漏りが対象に含まれるか、期間は何年か、施工店が対応できなくなった場合の備えがあるか、の4点です。口頭の約束は担当者が変われば根拠を失います。
第三者機関の保証制度に加入している業者であれば、万一のときにも対応を受けられます。定期点検の有無とその頻度も、あわせて聞いておくとよいでしょう。
契約を避けたほうがよい業者の特徴
金額の大きい工事だけに、トラブルの相談も少なくありません。その場での即決を求める業者は、理由を問わず一度持ち帰ってください。
今日契約すれば大幅に値引きすると迫る、点検結果の写真を見せずに危険だとだけ言う、契約書の内容が曖昧、会社の所在地や施工実績が確認できない。こうした特徴が複数当てはまる場合は要注意です。
突然訪問してきた業者を屋根に上げるのも避けたほうが賢明です。点検と称して屋根材を破損させる被害も報告されています。訪問販売による契約は、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。
業者を選ぶ際の視点は施工体制や実績についてのページも参考になります。
| [無料相談受付中]補助金や火災保険が使えるかも確認します 耐震改修や省エネの制度が使えるケースもあります。申請は工事契約前が原則ですので、検討を始めた段階でご相談ください。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |
葺き替え工事の流れと工期・住みながらの工事について
契約を決める前に、工事がどのように進むのかを知っておくと不安が減ります。葺き替えは屋根を一度剥き出しにする工事のため、天候との兼ね合いが工程を左右します。
ここでは、問い合わせから完了までの流れ、工期の目安、生活への影響について説明します。
問い合わせから契約まで|2週間から1か月
最初は現地調査からです。屋根に上がっての確認に加え、屋根裏や小屋裏の状態も見てもらうことで、下地の傷み具合をある程度把握できます。
調査は1時間から2時間程度で、その後1週間ほどで見積書が提示されます。相見積もりを取る場合は、各社の調査と見積もり作成の時間を見込んで、全体で2週間から1か月を想定しておくとよいでしょう。
補助金を使う場合は、この段階で申請手続きが入ります。制度によっては審査に1か月以上かかることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
施工の手順と工期|10日から2週間
工事は決まった順序で進みます。足場の設置、既存屋根材の撤去、下地の補修または増し張り、防水シートの敷設、新しい屋根材の施工、棟や役物の取り付け、足場の解体という流れです。
工期の目安は10日から2週間。足場の設置と解体にそれぞれ半日から1日、撤去に1日から2日、下地と防水シートに1日から2日、屋根材の施工に3日から5日といった配分になります。
既存屋根材を剥がした日は、防水シートまで敷いて雨仕舞いを済ませるのが基本です。この日に雨が降ると室内への浸水リスクがあるため、天気予報を見ながら日程を組みます。
工事全体の進め方については施工から完了までの流れを説明したページも参考にしてください。
住みながらの工事は可能
結論としては、葺き替え工事は住みながら行うのが一般的です。屋根の工事であり、室内に立ち入る作業はほとんど発生しません。
ただし生活への影響はあります。既存屋根材の撤去中は大きな音と振動が出ますし、足場と養生シートで窓からの採光が減り、洗濯物を外に干せない期間が続きます。
在宅勤務をしている、小さなお子さんや夜勤明けで昼間に休む方がいるといった場合は、音の出る工程がいつなのかを事前に確認しておくと予定を調整しやすくなります。
また、防犯面では足場が侵入経路になり得ます。工事期間中は窓の施錠を徹底し、足場に防犯用のアラームやセンサーを設置するかどうかを業者に相談してみてください。
近隣への配慮と、雨天時の対応
足場の設置には音が伴い、工事車両の出入りもあります。着工前の近隣挨拶を業者が行ってくれるか、範囲はどこまでかを確認しておいてください。
撤去作業では粉じんが出ます。養生シートで囲うのが基本ですが、風の強い日は作業を止める判断も必要です。洗濯物や車への影響について、隣家へ事前に伝えておくとトラブルを避けられます。
雨天時は基本的に作業を中断します。屋根を剥がした状態で放置されることのないよう、雨が予想される場合にどう養生するのかを聞いておくと安心です。
梅雨や台風の時期は、当初の予定より数日から1週間ほど延びることを想定しておいてください。無理に工程を進める業者より、天候を見て止める判断ができる業者のほうが、仕上がりは確実です。
まとめ|葺き替え費用は「屋根面積・屋根材・下地の状態」で決まる
屋根の葺き替え費用の相場は80万円から250万円、多くの住宅は100万円から200万円に収まります。総額を左右するのは、屋根面積、選ぶ屋根材、既存屋根材の種類、そして下地の傷み具合の4つです。
見積書は6つの項目に分解して読んでください。足場代15万〜25万円、既存屋根材の撤去処分費10万〜40万円、下地補修10万〜40万円、防水シート5万〜15万円、屋根材40万〜150万円、諸経費が工事費の5〜10%という構成になります。
屋根材別では、ガルバリウム鋼板が80万〜180万円、スレートとアスファルトシングルが70万〜150万円、瓦が120万〜250万円が目安です。初期費用だけでなく、次の30年で何回メンテナンスするかを含めて比べてください。
カバー工法は葺き替えより2割から5割安く済みますが、下地が傷んでいる場合や既存が瓦屋根の場合は選べません。あと何年その家に住むかを起点に、両方の見積もりを取って比較するのが確実です。
費用を抑えるには、外壁工事と同時に行って足場代をまとめること、自治体の補助金と火災保険を確認すること、そして内訳の分かる見積書で比較することの3点が効きます。まずはご自宅の屋根がどの段階にあるのか、点検で確かめるところから始めてみてください。
| [無料相談受付中]まずはご自宅の屋根の状態を知ることから 点検・調査・お見積もりはすべて無料です。カバー工法は65.1万円から、葺き替えもあわせてご案内しています。最長50年のトリプル安心保証付きです。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |