屋根塗装の見積もりを取ってみたものの、提示された金額が妥当なのか判断できない。ネットで調べると40万円という数字も100万円という数字も出てきて、かえって迷ってしまう。よくあるつまずき方です。
屋根塗装の費用相場は、一般的な30坪の住宅で40万円から80万円が目安になります。この幅が生まれるのは、屋根の面積と塗料のグレードという2つの変数によって総額が決まるためです。
そして総額の3割前後を占めるのが足場代です。足場は工事内容にかかわらず15万円から25万円かかる固定費であり、ここを理解しているかどうかで、見積もりの読み方も塗料の選び方も変わってきます。
この記事では、坪数別の目安と屋根面積の概算方法、見積書を6項目に分解して読む方法、塗料別の単価と1年あたりのコスト比較、そして費用を抑える具体策までまとめました。見積書を手元に置きながら読み進めてみてください。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 屋根塗装の費用相場は? | 30坪で40万〜80万円が目安 | 屋根面積と塗料のグレードで決まります。足場代15万〜25万円が総額の3割前後を占めます。 |
| 費用の内訳は? | 足場・洗浄・下地・塗装が4本柱 | 塗装費は1㎡あたり1,800〜4,500円。ここに縁切りや付帯部の塗装、諸経費が加わります。 |
| 塗料はどれを選ぶ? | 1年あたりのコストで比べる | シリコンは安いが8〜12年、無機は高いが15〜20年。総額でなく年割りで比較してください。 |
| 安く抑える方法は? | 外壁塗装と同時に行うこと | 足場代を1回分にまとめられ、20万円前後の差が出ます。相見積もりで内訳も比べてください。 |
この記事でわかること
- 屋根塗装の費用相場と、坪数や屋根面積から総額を概算する方法
- 見積書を6つの項目に分解して読む方法と、それぞれの単価の目安
- 塗料のグレード別の単価と耐用年数、1年あたりのコストで比べる考え方
- 相場より高くなるケースと、逆に安すぎる見積もりに潜むリスク
- 費用を抑える5つの方法と、契約前に見積書で確認したい項目
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もくじ
屋根塗装の費用相場は40万〜80万円|まず総額の考え方を押さえる
最初に全体像をつかんでおきましょう。屋根塗装の総額は、屋根面積と塗料の単価を掛けたものに、足場代という固定費を足したものと考えると理解しやすくなります。
ここでは、坪数別の目安、屋根面積の概算方法、そして相場情報を読むときの注意点を順に説明します。
30坪の住宅で40万〜80万円が中心
延床面積30坪の一般的な戸建て住宅であれば、屋根塗装の費用相場は40万円から80万円が目安です。屋根面積でいえば、おおむね80平方メートルから100平方メートルの範囲にあたります。
この40万円の幅は、主に塗料のグレードによって生まれます。シリコン系を選ぶか無機系を選ぶかで、材料費と施工費は2倍以上変わるためです。
外壁塗装と同時に行う場合は、総額で100万円から180万円程度になることが一般的です。別々に行うより足場代が1回分で済むため、合計額は下がります。
坪数別に見た費用の目安
建物の大きさから当たりをつけたい場合の目安を挙げます。10坪増減するごとに、おおよそ7万円から20万円の差が出ると考えてください。
20坪程度で30万円から60万円、30坪程度で40万円から80万円、40坪程度で50万円から100万円、50坪程度で60万円から120万円といったところです。
注意したいのが平屋の場合です。同じ延床面積でも、平屋は2階建てより屋根面積が広くなります。ただし足場が低く済むぶん足場代は下がるため、総額としては大きく変わらないこともあります。
屋根面積は「建築面積×勾配係数」で概算できる
より正確に見当をつけたい場合、計算方法があります。屋根は傾いているため、真上から見た面積より実際の表面積のほうが広くなります。
この差を補正するのが勾配係数です。建築面積に係数を掛けて屋根面積を求めます。3寸勾配なら約1.03、4寸勾配なら約1.05、5寸勾配なら約1.08、6寸勾配なら約1.12が目安になります。
一般的な4寸勾配で建築面積60平方メートルの2階建てなら、60×1.05でおよそ63平方メートル。ここに軒の出やケラバの張り出しが加わるため、実際は70平方メートル前後になります。
見積書に屋根面積が平方メートル単位で書かれていない場合は、必ず確認してください。面積が分からなければ単価の妥当性を判断できず、複数社の比較もできません。
「平均」と「中央値」の違いを知っておく
相場情報を読むうえで、押さえておきたい統計の性質があります。平均値は一部の高額な事例に引っ張られるため、実感とずれることが多いという点です。
国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査では、リフォーム住宅の資金について、平均値が154万円であるのに対し、中央値は48万円という結果が出ています。(出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」)
この3倍以上の開きは、少数の大規模なリフォームが平均を押し上げていることを示しています。多くの世帯が実際に支出しているのは、平均値よりかなり低い金額ということです。
屋根塗装の40万円から80万円という価格帯は、リフォーム全体で見れば中央値を上回る規模の工事にあたります。「平均いくら」という数字だけで予算を考えると、判断を誤りやすくなります。
見積書は6つの項目に分解して読む
総額だけを比べても、どちらが適正なのかは判断できません。屋根塗装の見積書は、6つの項目に分けて読むと構造が見えてきます。
ここからは各項目の内容と単価の目安を順に説明します。単価が分かれば、屋根面積を掛けるだけで妥当性の見当がつきます。
1. 足場代|15万〜25万円
総額を左右する最大の固定費です。単価は1平方メートルあたり700円から1,200円程度で、一般的な戸建てなら15万円から25万円になります。
ここでいう平方メートルは屋根面積ではなく、建物の外周に沿って組む足場の面積です。塗料の飛散を防ぐ養生シートの費用も、この項目に含まれるのが一般的です。
この費用は工事の内容にかかわらず発生します。屋根塗装が40万円なら、そのうち20万円前後が足場代という構図です。この点が、後で説明する費用の抑え方に直結します。
2. 高圧洗浄|2万〜4万円
塗装前に屋根の汚れ、苔、藻、古い塗膜の粉を洗い流す工程です。単価は1平方メートルあたり200円から300円程度が目安になります。
地味な工程ですが、ここを省くと塗料が定着しません。洗浄後は屋根を十分に乾かす必要があり、1日から2日の乾燥期間を取ります。
苔が広範囲に生えている場合は、バイオ洗浄など専用の薬剤を使うこともあります。その場合は単価が上がりますが、根から除去できるため再発しにくくなります。
3. 下地補修・ケレン|1万〜20万円
劣化の程度によって金額が最も変動する項目です。ケレンとは、剥がれかけた旧塗膜やサビを落として、塗料が密着する下地を作る作業を指します。
軽微な補修であれば1万円から5万円程度です。ひび割れたスレートの補修、屋根材の差し替え、シーリングの打ち直しなどが含まれます。
一方、屋根の頂点にある棟板金の交換が必要な場合は3万円から20万円が加わります。下の貫板が腐っていれば、板金と一緒に交換することになります。
この項目が「一式」でしか書かれていない場合は、何が含まれているかを確認してください。実際に劣化を見ていなければ、正確な金額は出せない項目です。
4. 塗装費|1㎡あたり1,800〜4,500円
総額の中心となる項目です。下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが標準で、1平方メートルあたり1,800円から4,500円程度が目安になります。
下塗りは屋根材と上塗りを密着させる役割を担い、屋根材が塗料を吸い込む場合は2回行うこともあります。中塗りと上塗りは同じ塗料を重ねるのが一般的です。
見積書に塗り回数が書かれているかは必ず確認してください。3回塗りと書きながら実際は2回で済ませる手抜きは、完成後には見分けがつきません。塗料のグレード別の単価は次の章で詳しく整理します。
5. 縁切り・タスペーサー|2万〜5万円
スレート屋根に特有の、省略できない工程です。スレートは薄い板を重ねて葺かれており、その重なりの隙間は雨水を排出するために必要なものです。
ところが塗装をすると、塗料がこの隙間を埋めてしまいます。すると屋根材の下に入った水が排出されず、毛細管現象で内部に吸い上げられ、防水シートや野地板を濡らします。
塗装したことが原因で雨漏りが起きるという事態を防ぐのが、この工程です。現在はタスペーサーという部材を塗装前に差し込み、隙間を確保する方法が主流で、1平方メートルあたり6個から12個程度を挿入します。
単価は1平方メートルあたり500円から1,000円程度、総額で2万円から5万円が目安です。見積書に記載がなければ、どう対応するのかを質問してください。
6. 付帯部塗装・諸経費|工事費の5〜10%
最後が周辺部材と諸経費です。軒天、破風板、雨樋、水切りといった付帯部の塗装は、3万円から10万円程度が目安になります。
付帯部は屋根本体より先に劣化することが多く、せっかく足場を組むのであれば同時に施工するのが合理的です。プランによっては標準で含まれていることもあります。
諸経費には、現場管理費、交通費、駐車場代、廃材処分費などが含まれ、工事費全体の5%から10%程度を見込むのが一般的です。割合が極端に高い場合は、内容を確認してください。
各工事の具体的な価格帯は料金とプランのページで確認できます。
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【塗料別】単価と耐用年数を1年あたりのコストで比べる
塗料の選択は、総額を決めると同時に、次回の塗り替えまでの期間を決めます。単価が高い塗料ほど長持ちするため、総額だけで比べると判断を誤ります。
ここでは主な塗料の単価と耐用年数を整理したうえで、1年あたりのコストという見方を紹介します。
ウレタン系|1,700〜2,200円/㎡、耐用5〜8年
最も安価な選択肢ですが、近年は採用が減っている塗料です。耐用年数が5年から8年と短く、塗り替えの頻度が上がるためです。
柔軟性があるため、複雑な形状や細かい部材には適しています。付帯部の塗装に使われることはありますが、屋根全体に使うケースは少なくなりました。
初期費用は抑えられますが、足場代が10年以内にもう一度発生することを考えると、総支出では割高になる可能性があります。
シリコン系|1,800〜2,500円/㎡、耐用8〜12年
現在最も多く選ばれている標準的な塗料です。価格と耐久性のバランスが良く、迷ったときの基準になるグレードといえます。
屋根面積90平方メートルであれば、塗装費はおよそ16万円から23万円。ここに足場代や洗浄費が加わり、総額40万円台から50万円台になるのが典型的なパターンです。
外壁もシリコン系で揃えておけば、次回の塗り替え時期も揃います。同時施工を前提に考えるなら、グレードを合わせるのが基本です。
ラジカル制御型|2,200〜3,000円/㎡、耐用10〜14年
比較的新しいタイプの塗料です。紫外線によって塗膜を劣化させる要因の発生を抑える仕組みを持ち、シリコン系より長持ちします。
価格はシリコン系とフッ素系の中間にあたり、コストパフォーマンスを重視する場合の選択肢になります。色あせやチョーキングが起きにくいのが特徴です。
屋根は外壁より紫外線を強く受けるため、この性質は屋根塗装との相性が良い部類に入ります。
フッ素系・無機系|3,000〜5,500円/㎡、耐用12〜20年
高耐久の部類に入る塗料です。フッ素系が1平方メートルあたり3,000円から4,500円で耐用12年から15年、無機系が3,500円から5,500円で耐用15年から20年が目安になります。
初期費用は上がりますが、塗り替えの回数を減らせます。屋根面積90平方メートルで無機系を選んだ場合、塗装費は32万円から50万円程度。総額では60万円台から80万円台になります。
次の塗り替えを20年先に延ばせるなら、その間の足場代が1回分浮く計算になります。長く住み続ける予定であれば、検討する価値があります。
塗料ごとの耐用年数の考え方は塗料別の耐用年数と塗り替え時期についての記事にもまとめています。
遮熱・断熱塗料|2,500〜4,500円/㎡
機能性を持たせた塗料もあります。遮熱塗料は太陽光の熱を反射させ、屋根表面の温度上昇を抑えることで、2階の室温を下げる効果が期待できます。
価格は同グレードの一般塗料より2割から3割高くなりますが、冷房費の削減につながる可能性があります。屋根材の熱による膨張と収縮も緩和されるため、屋根材そのものの寿命にも影響します。
効果は屋根の色や断熱材の有無によって変わるため、過度な期待は禁物です。屋根の暑さ対策については屋根の遮熱シートに関する記事も参考になります。
足場代を含めて「1年あたり」で比べる
ここが最も重要な考え方です。塗料の価格だけを比べると安いものが有利に見えますが、足場代を含めて年割りにすると結論が変わります。
屋根面積90平方メートル、足場代20万円という前提で計算してみます。シリコン系(単価2,200円・耐用10年)なら塗装費19.8万円+足場20万円で約40万円、1年あたり約4.0万円。
フッ素系(単価3,700円・耐用14年)なら33.3万円+20万円で約53万円、1年あたり約3.8万円。無機系(単価4,500円・耐用18年)なら40.5万円+20万円で約61万円、1年あたり約3.4万円になります。
総額では最も高い無機系が、1年あたりでは最も安いという逆転が起きます。これは足場代という固定費が、耐用年数の長さで割られるためです。あと何年その家に住むかを合わせて考えてみてください。
費用が相場より高くなる5つのケース
見積もりが想定より高いとき、必ずしも過剰請求とは限りません。建物の条件によって、正当に金額が上がる要因があります。
ここでは代表的な5つのケースを挙げます。心当たりがあれば、その理由として説明を受けられるはずです。
1. 屋根の面積が広い・勾配が急
最も分かりやすい要因です。屋根面積が広ければ塗料の量も作業時間も増え、勾配が急であれば作業の難易度が上がります。
6寸勾配を超えると、屋根の上で立って作業することが難しくなり、屋根足場という専用の足場が必要になります。この場合、10万円から20万円程度が加算されます。
寄棟造のように屋根の面が多い形状も、同じ面積でも施工の手間が増えます。切妻造のようにシンプルな形状であれば費用は抑えやすくなります。
2. 3階建て・足場の設置条件が悪い
高さと立地の問題です。3階建てでは足場の段数が増え、足場代がそのぶん上がります。
隣家との距離が近く足場を組みにくい、前面道路が狭くトラックを寄せられない、といった条件でも費用は上がります。資材の運搬に人手がかかるためです。
こうした条件は現地を見なければ判断できません。電話やメールだけの概算見積もりで契約を進めるのは避けてください。
3. 下地の傷みが激しい
劣化が進んでいれば、塗る前の工程が増えます。ひび割れの補修、屋根材の差し替え、棟板金の交換などが加わると、10万円から30万円の差になることもあります。
特に棟板金は、下の貫板が腐っていると板金ごと交換になります。この作業は塗装とは別工事の扱いですが、足場があるうちに済ませるべき内容です。
放置していた期間が長いほど、この項目は膨らみます。塗装の時期を先延ばしにするコストは、ここに現れます。
4. 屋根材が特殊で手間がかかる
屋根材によっては、通常より工程が増えます。代表的なのがモニエル瓦(乾式コンクリート瓦)で、表面のスラリー層を完全に除去してから塗る必要があります。
この処理を省くと、数年で塗膜ごと剥がれます。除去の手間がかかるため、通常のセメント瓦より単価が上がるのが正常な見積もりです。
モニエル瓦を見分けられない業者に依頼すると、施工不良につながりやすい屋根材でもあります。1980年代から1990年代の住宅で多く使われています。
5. 塗装では対応できず別工法になる
最後が、そもそも塗装が適さないケースです。基材そのものが傷んでいる状態では、表面に塗料を重ねても防水性は戻りません。
割れや欠けが複数箇所で連続している、屋根材が層状に剥がれている、踏むとたわむ、すでに雨漏りが出ている。こうした場合はカバー工法か葺き替えになります。
費用の目安は、カバー工法が60万円から200万円、葺き替えが80万円から250万円。塗装の見積もりを依頼したのに別工法を提案された場合は、その根拠を写真で示してもらってください。工法の内容はカバー工事に関する記事一覧で確認できます。
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屋根塗装の費用を抑える5つの方法
費用を下げる方法は、値引き交渉だけではありません。工事のまとめ方と制度の活用のほうが、確実に効果が出ます。
ここでは、効果の大きい順に5つの方法を紹介します。
1. 外壁塗装と同時に行う
最も確実な方法です。足場代は1回組むごとに15万円から25万円かかり、屋根と外壁を別々の年に施工すれば2回払うことになります。
同時に実施すれば1回分で済み、それだけで20万円前後の節約になります。屋根と外壁の塗り替え周期はどちらも7年から10年ですから、タイミングを揃えやすいはずです。
雨樋の交換、破風板や軒天の補修、ベランダ防水なども高所作業です。今後5年以内にメンテナンスが必要な箇所があるなら、この機会にまとめて相談する価値があります。
2. 相見積もりで内訳を比べる
相見積もりの目的は、安い業者を探すことではありません。複数の見積書を並べることで、本当に必要な工事と過剰な工事が浮かび上がります。
比べるべきは総額ではなく内訳です。屋根面積、塗料のメーカー名と商品名、塗り回数、縁切りの有無、下地補修の範囲、足場代、付帯部の扱い。この7点が揃っていれば同じ土俵で比較できます。
2社から3社に絞るのが現実的です。多すぎると現地調査の日程調整だけで時間がかかり、屋根の劣化はその間も進みます。
3. 塗料は1年あたりのコストで選ぶ
先ほど計算したとおり、足場代を含めて年割りにすると、高耐久の塗料のほうが1年あたりのコストは下がります。
ただし、これはその家に長く住み続ける場合の話です。10年以内に住み替える予定があるなら、標準的なシリコン系で十分という判断も合理的です。
今後何年その家に住むのかを起点に考えると、選ぶべきグレードが決まります。業者に相談する際にも、この前提を伝えておくと提案が的確になります。
4. 補助金と火災保険を確認する
自己負担を減らす制度もあります。自治体によっては、住宅リフォームに対する補助金制度が用意されています。
屋根塗装そのものを対象とする制度は多くありませんが、遮熱塗料を使う場合に省エネ改修として認められたり、地域の業者を使うリフォームへの一般補助が使えたりするケースがあります。
また、台風や強風で屋根が破損している場合は、火災保険の風災補償が使える可能性があります。塗装そのものは対象外ですが、破損部分の復旧費用として保険金が下りることはあります。
多くの制度は工事契約の前に申請が必要です。検討を始めた段階で、自治体の窓口と保険証券を確認しておいてください。
5. 繁忙期を避けて相談する
時期の調整も効果があります。塗装業界の繁忙期は春と秋で、この時期は予約が埋まりやすくなります。
逆に梅雨時期と真冬は比較的空いており、日程の融通が利きやすくなります。降雪のない地域であれば、あえてこの時期を選ぶ判断もあります。
ただし、劣化が進んでいる場合は時期を待つべきではありません。放置した期間の分だけ下地補修の費用が増え、最悪の場合は塗装では対応できなくなります。
安すぎる見積もりに潜む4つのリスク
相場より大幅に安い見積もりには、理由があります。同じ工事内容であれば、業者による価格差はそれほど大きくなりません。
ここでは、金額を下げるために省かれやすい工程を挙げます。いずれも完成直後には見分けがつかない部分です。
塗り回数を減らしている
最も多いのがこれです。3回塗りと説明しながら、実際は下塗りと上塗りの2回で済ませるという手抜きです。
塗り終わった直後は、2回でも3回でも見た目はほとんど変わりません。差が出るのは数年後で、色あせや塗膜の剥がれが早く現れます。
対策としては、工程ごとの写真を撮ってもらうよう契約時に依頼しておくことです。下塗り、中塗り、上塗りそれぞれの記録があれば、確認ができます。
縁切り・タスペーサーを省略している
スレート屋根で特に注意したい点です。この工程を省けば2万円から5万円は安くできますが、塗装したことが原因で雨漏りが起きるリスクを抱えることになります。
症状が出るまでに時間がかかるため、施工不良だと気づくのは数年後です。その頃には下地まで傷んでいることもあります。
見積書に縁切りまたはタスペーサーの記載があるかを必ず確認してください。この工程を省く業者は、他の工程も省いている可能性があります。
下地補修が含まれていない
見積もりの段階では劣化の全容が分からないため、この項目を省いて総額を安く見せることができます。工事が始まってから追加請求される、という流れになりがちです。
防ぐには、下地補修がどこまで含まれているか、想定を超えた場合の単価はいくらか、追加が必要になったときにどう連絡し承諾を得るかを事前に確認しておくことです。
良心的な業者は、あらかじめ一定範囲の補修費を見込んだうえで、超過分の単価も明示します。「やってみないと分からない」で終わらせない業者を選んでください。
保証がない・内容が曖昧
見落とされがちですが、保証は長期的なコストに直結します。同じ工事内容・同じ金額なら、保証期間が長く内容が明確な業者を選ぶほうが結果的に得になります。
確認したいのは、保証書が発行されるか、保証範囲はどこまでか、期間は何年か、施工店が対応できなくなった場合の備えがあるかの4点です。口頭の約束は担当者が変われば根拠を失います。
保証の考え方は保証制度についてのページ、業者を見極める視点は業者選びのポイントをまとめたページにまとめています。
| [無料相談受付中]補助金や火災保険が使えるかも確認します 遮熱塗料の省エネ改修や、台風被害の風災補償が使えるケースもあります。申請は工事契約前が原則ですので、早めにご相談ください。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |
契約前に見積書で確認したい5つの項目
最後に、確認事項を整理しておきます。この5点が明記されていれば、複数社の見積もりを正しく比較できます。
逆に、いずれかが欠けている見積書は、比較の土俵に乗りません。追加で説明を求めてください。
1. 屋根面積が平方メートル単位で記載されているか
最も基本的な確認です。面積が書かれていなければ、単価の妥当性を判断できません。
「屋根塗装一式 50万円」という書き方では、その50万円が高いのか安いのか比べようがありません。面積が記載されていれば、実際に現地を測ったかどうかの判断材料にもなります。
複数社の見積書で面積が大きく食い違う場合は、それぞれに根拠を確認してください。
2. 塗料のメーカー名・商品名・塗り回数
仕様の確認です。「シリコン塗料」とだけ書かれていても、メーカーや商品によって性能と価格は異なります。
メーカー名と商品名が特定できれば、その塗料の公表されている耐用年数や特性を自分で調べられます。塗り回数とあわせて確認してください。
外壁も同時に施工する場合は、屋根と外壁でグレードが揃っているかも見ておくと、次回の塗り替え時期をまとめられます。
3. 足場代が含まれているか、別途か
総額の3割を占める項目です。含まれているのか別途なのかで、比較の前提がまったく変わります。
A社は足場代込みで50万円、B社は足場代別で40万円という場合、実際にはB社のほうが高くなります。単純な総額比較では見誤ります。
足場の設置面積と単価が記載されていれば、より正確に比べられます。
4. 縁切り・下地補修・付帯部の扱い
省かれやすい項目です。縁切りまたはタスペーサー、下地補修、付帯部塗装。この3つが項目として立っているかを確認してください。
記載がない場合、含まれているのか対象外なのかを質問します。対象外であれば、後から追加請求される可能性があります。
実際にどのような施工内容になるかは、施工事例のページで写真とともに確認できます。
5. 工期と保証、支払い条件
契約条件の確認です。工期は10日から2週間が目安ですが、天候による延長の扱いがどうなっているかを見ておいてください。
天候を理由とする工期の延長で追加費用が発生することは通常ありませんが、契約書に明記されているかを確認しておくと安心です。
支払い条件も重要です。着工前に全額を求める業者は避けてください。着工時と完了時に分ける、あるいは完了後に一括という形が一般的です。屋根塗装の実例は屋根塗装に関する記事一覧で紹介しています。
まとめ|屋根塗装の費用は「面積×塗料単価+足場代」で決まる
屋根塗装の費用相場は、30坪の住宅で40万円から80万円が目安です。総額は、屋根面積と塗料の単価を掛けたものに、足場代という固定費を足したものと考えると理解しやすくなります。
見積書は6項目に分解して読んでください。足場代15万〜25万円、高圧洗浄2万〜4万円、下地補修1万〜20万円、塗装費が1平方メートルあたり1,800〜4,500円、縁切り2万〜5万円、付帯部と諸経費という構成です。
塗料は総額ではなく1年あたりのコストで比べてください。足場代20万円を含めて計算すると、シリコン系が年約4.0万円、フッ素系が約3.8万円、無機系が約3.4万円と、総額では最も高い無機系が年割りでは最も安くなります。
費用を抑える最も確実な方法は、外壁塗装と同時に行って足場代を1回分にまとめることです。それだけで20万円前後の差が出ます。相見積もりでは総額ではなく内訳を比べてください。
安すぎる見積もりには、塗り回数の削減、縁切りの省略、下地補修の除外といった理由が隠れていることがあります。まずはご自宅の屋根面積と劣化の状態を把握するところから始めてみてください。
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