外壁塗装の見積もりを取ったものの、工事予定が夏から秋にかかると聞いて手が止まっていませんか。「工事中に台風が直撃したら足場は倒れないのか」「塗ったばかりの壁が雨で流れてしまわないか」——不安になるのは当然です。
結論からいえば、台風シーズンでも外壁塗装は行えます。台風はゲリラ豪雨と違って数日前から進路が分かる災害であり、業者はその予報をもとに日程を組み替え、足場に必要な養生を施すからです。
ただし、それは適切な管理ができる業者に依頼した場合の話です。台風が近づいているのに足場のシートがそのまま張られている、雨上がりの湿った壁にすぐ塗り始める。こうした現場では、事故や施工不良のリスクが上がります。
この記事では、工事中に台風が来たとき業者が行う対策、足場が倒れた場合の責任の所在、工期の延長と追加費用の扱い、そして台風のあとに確認したい点検箇所までまとめました。契約前に読んでおくと、業者に何を聞けばよいかがはっきりします。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 台風シーズンでも工事できる? | 対策があれば施工できる | 台風は進路を事前に予測できるため、業者が日程を調整し、足場の養生を行って対応します。 |
| 工事中に足場は倒れない? | メッシュシートをたたんで防ぐ | 風を通す状態にしたうえで、壁当てジャッキで建物に固定します。台風養生と呼ばれる作業です。 |
| 台風で工期はどれくらい延びる? | 1回あたり3日〜1週間が目安 | 天候が原因の遅れであれば、追加費用は原則として発生しません。契約書で扱いを確認してください。 |
| 台風で壊れたら保険は使える? | 自然災害が原因なら使える | 被害から3年以内であることなどの条件があります。片付ける前に必ず写真を残してください。 |
この記事でわかること
- 台風シーズンでも外壁塗装ができる理由と、気象庁のデータから見た時期の考え方
- 工事中に台風が近づいたとき、業者が行う足場の養生と施主が確認すべきこと
- 足場が倒壊した場合の責任の所在と、契約前に確認しておきたい保険の種類
- 台風による工期の延長と、追加費用が発生するかどうかの考え方
- 台風のあとに確認したい点検箇所と、火災保険を使うときの条件・注意点
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もくじ
台風シーズンでも外壁塗装はできる|まず前提を整理する
台風の時期は工事を避けたほうがよいのではないか。多くの方がまずこの疑問を持ちます。答えは「避けるに越したことはないが、避けきることもできない」というのが現実的なところです。
ここでは、日本に台風がどれくらい来ているのかという客観的なデータをもとに、時期の考え方を整理します。数字で見ると、シーズンを外すという発想そのものが難しいことが分かります。
台風は年間約25個発生し、約12個が日本に接近する
まず実態を数字で押さえておきましょう。気象庁によると、30年間の平均で年間約25個の台風が発生し、そのうち約12個が日本から300km以内に接近、約3個が上陸しています。
発生・接近・上陸のいずれも、7月から10月にかけて最も多くなります。特に9月は上陸数が年間で最も多い月です。(出典:気象庁「台風の発生、接近、上陸、経路」)
つまり、7月から10月に工事を組めば、台風が接近する可能性は現実的な確率で存在します。外壁塗装の工期はおおむね10日から2週間ですから、この期間中に一度も強風がないと期待するほうが無理があります。
台風を完全に避けられる時期は存在しない
では春や冬なら安全かというと、そう単純でもありません。足場に張られたメッシュシートは、台風でなくても強風にあおられます。
春先の突風、冬の季節風、前線通過にともなう強風。これらは台風と違って予報の精度が落ちる場合もあり、対応の難しさという点ではむしろ厄介です。梅雨時期であれば、雨で乾燥工程が止まる日が増えます。
季節ごとに向き不向きはありますが、リスクがゼロになる時期はありません。大切なのは時期を選ぶことよりも、天候に応じた判断ができる業者に任せることです。
季節ごとの特徴については、夏の外壁塗装のメリットと注意点や秋に外壁塗装を行う場合の予約時期もあわせてご覧ください。
台風は「事前に分かる」災害である
不安が大きくなりがちな台風ですが、工事の観点では扱いやすい面もあります。台風は数日前から進路と勢力の予報が出るため、準備の時間が確保できます。
業者は予報を見ながら、洗浄や塗装の日程を前後にずらし、足場の養生を段取りします。逆にいえば、突然発生するゲリラ豪雨や、予報になかった突風のほうが現場では対応が難しい相手です。
この意味で、台風シーズンかどうかより、現場を管理する担当者が天気をきちんと見ているかどうかのほうが重要になります。契約前に、天候不良時の判断を誰がどう行うのかを聞いておくとよいでしょう。
工事中に台風が来たとき、業者が行う3つの対策
台風が接近すると分かった時点で、現場では決まった段取りが動き出します。中心になるのは足場の安全確保で、これを台風養生と呼びます。
ここでは業者側が行う3つの対策と、施主として確認しておきたい点を説明します。内容を知っておくと、自宅の現場がきちんと対応されているかを判断できます。
対策1|メッシュシートをたたんで風を通す
最も重要なのがこの作業です。足場を覆っているメッシュシートは、強風を受けると帆のように風をはらみ、足場ごと倒す力になります。
メッシュシートは本来、塗料や洗浄水の飛散を防ぎ、資材の落下や職人の転落を防ぐために張られています。ただし台風時にはこの面積が仇になるため、シートの結束をほどいて足場に巻き付けるようにたたみます。
風が足場のあいだを通り抜けるようになるため、あおられて揺れることが大幅に減ります。シートを全面撤去する方法や、四隅を外して中央にまとめる方法もあり、現場の状況で使い分けられます。
台風が接近しているのにシートが広がったままであれば、遠慮なく業者へ連絡してください。不安に感じた時点で電話して構いません。
対策2|壁当てジャッキと控えで足場を固定する
足場は自立しているように見えて、実は建物に支えられています。壁当てジャッキという部材を外壁に当て、足場と建物を一体化させることで安定性を確保しています。
塗装の作業中は、壁を塗る邪魔になるため一時的に緩められていることがあります。台風前にはこれを締め直し、必要に応じて数を増やします。ベランダの手すりや窓枠を利用して固定することもあります。
あわせて、足場の連結部分のボルトやピンの緩みを点検し、控えと呼ばれる支えを追加します。足場が単管で組まれているか、くさび式かによっても補強の方法は変わります。
対策3|工程を止め、塗った面を守る
3つ目は工程の管理です。塗装は雨や強風のなかでは行いません。塗料が流れる、ほこりが付着する、乾燥が進まないといった不具合が確実に起きるためです。
塗料メーカーの標準的な施工条件では、気温5℃以下または湿度85%以上の環境での施工は避けるとされています。台風接近時は湿度がこの基準を超えることが多く、施工そのものができません。
塗り終えた面については、塗料が乾燥していれば雨で流れる心配はほとんどありません。問題になるのは、塗った直後に雨に当たった場合です。このため、雨が予想される日は塗装工程を入れないのが基本になります。
あわせて、養生シートや資材の飛散防止、シートで覆った室外機やエアコン配管の確認も行われます。
施主として確認しておきたい3つのこと
業者に任せきりにせず、こちらからも確認できることがあります。台風前日までに、次の3点を電話で聞いておくと安心です。
1つ目は、メッシュシートをいつたたむのか。2つ目は、足場の補強をどう行うのか。3つ目は、工程をどこまで進めた状態で中断するのか、です。
自宅側でも準備できることがあります。ベランダや庭に置いてある鉢植え、物干し竿、自転車などは屋内へ移動させてください。工事の資材だけでなく、こうしたものが飛んで近隣に被害を出すこともあります。
また、足場が組まれている期間は窓の施錠を徹底してください。台風対策として雨戸やシャッターを閉める際も、足場と干渉しないか事前に確認しておくとよいでしょう。
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台風で足場が倒壊したら、責任は誰にあるのか
最も気がかりなのがこの点ではないでしょうか。自宅の工事で組んだ足場が隣家を壊してしまったら、その責任と費用はどうなるのか。結論として、施工中の事故は原則として施工業者が責任を負います。
ただし、そのためには業者が適切な保険に加入していることが前提になります。ここでは責任の考え方と、契約前に確認しておくべき書類を説明します。
施工中の事故は原則として業者の責任になる
足場は施工業者が設置し、管理している設備です。その足場が倒れて第三者に被害を与えた場合、管理していた業者が賠償の責任を負うのが基本的な考え方になります。
発注者である施主が、足場の組み方や養生の方法まで指示することは通常ありません。専門的な判断は業者に委ねられているため、その判断の結果として生じた損害は業者側の責任と整理されます。
とはいえ、実際に隣家へ被害が出れば、日常的に顔を合わせるのは施主です。近隣関係を守るためにも、業者がきちんと対応してくれるかどうかは事前に確かめておきたいところです。
「請負業者賠償責任保険」に加入しているか確認する
責任があることと、実際に賠償できることは別の問題です。確認したいのは、業者が請負業者賠償責任保険に加入しているかどうかです。
この保険は、工事中の事故で第三者の身体や財産に損害を与えた場合に備えるものです。足場の倒壊、資材の落下、高圧洗浄の水や塗料の飛散による近隣車両の汚損なども対象になります。
確認の方法は簡単です。契約前に「工事保険に加入されていますか」と聞き、保険証券の写しを見せてもらってください。加入していれば即答できるはずの質問であり、口ごもるようであれば注意が必要です。
補償の上限額と、対象範囲に足場が含まれているかもあわせて確認しておくと確実です。
近隣へ被害が出た場合の対応の流れ
万が一のときに慌てないよう、流れを知っておきましょう。まず行うのは、被害状況の記録と業者への連絡です。
足場や資材が隣家に接触している場合、まずは安全の確保が最優先です。二次被害の恐れがあるため、自分で動かそうとせず、業者と必要に応じて消防や自治体へ連絡してください。
その後、業者が保険会社へ連絡し、損害の査定と復旧の手配が進みます。施主としては、隣家へのお詫びの挨拶を業者と一緒に行うと、その後の関係が保ちやすくなります。
写真は多いほうが有利です。被害箇所だけでなく、全体が分かる引きの写真も撮っておいてください。
契約前に確認しておきたい2つの書類
不安をなくす最も確実な方法は、契約前の確認です。保険証券の写しと、工事請負契約書の天候・事故に関する条項の2点を見せてもらってください。
契約書では、天候不良による工期延長の扱い、事故が起きた場合の責任分担、工事の中断や解除の条件がどう書かれているかを確認します。この部分が曖昧な契約書は、トラブル時に判断の拠り所がなくなります。
訪問販売にあたる契約であれば、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。その場での即決を求められた場合は、必ず一度持ち帰ってください。業者選びの視点は業者選びのポイントをまとめたページも参考になります。
台風で工期はどれくらい延びるのか、追加費用は発生するか
安全面と並んで気になるのが、スケジュールと費用です。台風による中断で工期は確実に延びますが、それを理由に追加費用が発生することは原則としてありません。
ここでは、標準的な工期、台風1回あたりの遅れの目安、追加費用の考え方、そして台風の直後にすぐ塗装できない理由を説明します。
外壁塗装の標準工期は10日から2週間
まず基準となる日数を押さえておきましょう。一般的な戸建て住宅の外壁塗装は、足場の設置から解体まで10日から2週間程度です。
内訳は、足場の設置に半日から1日、高圧洗浄に1日、その後の乾燥に1日から2日、養生に1日、下地補修とシーリングの打ち替えに1日から2日、下塗り・中塗り・上塗りにそれぞれ1日ずつ、付帯部の塗装に1日から2日、点検と足場の解体に1日といった配分になります。
注目したいのが乾燥の時間です。塗装は塗る作業より、塗った後に乾かす時間のほうが工程を左右します。各工程のあいだに必要な乾燥時間は塗料によって定められており、これを短縮すると仕上がりに影響が出ます。
台風1回でおおむね3日から1週間延びる
実際にどれくらい遅れるのかは、台風のタイミングと工程の進み具合で変わります。目安としては、台風1回あたり3日から1週間を見ておくとよいでしょう。
台風が通過する当日と前日は作業を止めます。加えて、通過後に外壁が乾くまで1日から2日、メッシュシートを張り直して足場を点検する時間が半日から1日。これらを合わせると、この程度の日数になります。
洗浄直後や下塗りの段階で台風が来た場合は、比較的影響が小さく済みます。逆に、養生を張り終えて塗装に入る直前だと、養生シートを一部やり直す必要が出ることもあります。
引っ越しや来客など、動かせない予定がある場合は契約時に伝えておいてください。天候による遅れを見込んだうえで日程を組んでもらえます。
天候による工期延長で追加費用は原則発生しない
費用の面では安心して構いません。天候を理由とする工期の延長で、追加料金が発生することは通常ありません。
外壁塗装は工事一式として契約するのが一般的で、足場のレンタル期間が延びた分や、職人の再訪にかかる手間は業者側が負担します。日数単位で課金される契約形態ではないためです。
ただし、契約書にこの点がどう書かれているかは確認しておいてください。「天候不良により工期が延長した場合、追加費用は請求しない」といった趣旨の記載があるか、あるいは口頭でも明確な回答が得られるかを見ておきます。
一方で、台風によって建物自体が新たに破損し、その補修を追加で行う場合は別工事の扱いになります。これは工期延長とは別の話であり、あらためて見積もりが必要です。
台風の直後にすぐ塗装できない理由
雨が上がったのだから翌日から再開できるはずだ、と考えたくなります。しかし台風の直後は湿度が高く、外壁も水分を含んでいるため、塗装には適さない状態です。
湿った下地の上に塗料を塗ると、密着が悪くなって早期の剥がれにつながります。乾燥も進まないため、次の工程に移れません。塗膜の内部に水分が閉じ込められ、後から膨れとして現れることもあります。
「台風が過ぎたからすぐ塗ります」と言う業者にはむしろ注意が必要です。含水率を確認し、しっかり乾いてから再開する判断ができるかどうかが、仕上がりの差になります。
外壁が乾くまでの時間は、季節や日当たりによって変わります。夏場なら半日から1日、気温の低い時期は2日以上かかることもあります。
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台風の前に外壁塗装を済ませておくメリット
ここまでは工事中の話でしたが、視点を変えると別の側面が見えてきます。外壁塗装は、台風被害そのものを減らすための備えでもあります。
台風のあとに雨漏りが発生する住宅には共通点があります。ここでは、塗装が果たしている防水の役割と、逆算したスケジュールの立て方を説明します。
塗膜とシーリングが雨水の侵入を防いでいる
外壁塗装は見た目をきれいにするだけの工事ではありません。塗膜が外壁材に水を染み込ませないための膜として働き、シーリングが目地の隙間を埋めています。
この2つが劣化した状態で台風を迎えると、横殴りの雨が隙間から入り込みます。通常の雨では問題にならなかった小さなひび割れでも、風をともなう雨では水が押し込まれるためです。
台風のあとに雨漏りの相談が増えるのは、こうした理由によります。外壁のひび割れを放置している、シーリングが硬化して切れている。この2つが揃っている住宅は、台風に対して無防備な状態といえます。
塗装前の補修工程が被害を防いでいる
見落とされがちですが、外壁塗装の価値は塗る前の工程にもあります。ひび割れの補修とシーリングの打ち替えは、塗装工事の標準的な工程に含まれています。
幅の細いひび割れは塗料を厚く塗って埋め、大きなクラックは専用の材料を充填して処理します。目地のシーリングは、古いものを撤去して新しく打ち直すのが本来の施工です。
つまり外壁塗装を行うことは、建物の防水性能を一度リセットすることにほかなりません。塗り替えの周期を守っている住宅ほど、台風で被害が出にくいという関係があります。
工事内容や塗料の選び方については、外壁塗装に関する記事一覧にまとめています。
台風前に自分で確認できる劣化のサイン
専門家でなくても、防水性能が落ちているかどうかはある程度判断できます。塗り替えの目安は築7年から10年ですが、それより早く症状が出ることもあります。
確認したいのは、外壁を手でこすると白い粉が付くチョーキング、目地のシーリングにひび割れや隙間がないか、外壁に髪の毛ほどの細いひび割れが広がっていないか、塗膜が浮いたり剥がれたりしていないかの4点です。
また、サッシまわりや配管の貫通部は、雨水が入りやすい弱点になります。シーリングが痩せて隙間ができていないか、近づいて確認してみてください。
雨樋も見ておきましょう。詰まりや外れがあると、あふれた水が外壁を伝って浸入します。詳しくは雨樋に関する記事一覧をご覧ください。
逆算した工事スケジュールの立て方
台風シーズンに間に合わせたいなら、日程は逆算して考えます。工期10日から2週間に加え、見積もりと契約に2週間から1か月を見ておく必要があります。
相見積もりを取るなら、各社の現地調査と見積書作成にそれぞれ1週間程度かかります。3社に依頼すれば、比較検討まで含めて1か月近く要することもあります。
つまり、7月から工事を始めたいなら5月ごろから動き出す計算です。春先と秋口は依頼が集中する時期でもあるため、希望日程がある場合は早めに相談しておくほうが確実です。
台風が過ぎたあとに確認したい点検ポイント
台風の通過後は、被害の有無を早めに確認しておきたいところです。この時点では症状が軽くても、次の雨で雨漏りに発展することがあります。
ここでは、外壁、シーリング、屋根まわり、室内側という順に確認箇所を整理します。いずれも屋根に登らず、地上や室内から確認できる内容です。
外壁のひび割れと飛来物による傷
まず外壁を一周して見ていきます。台風では、飛来物が当たって外壁に傷や欠けが生じることがあります。
見るべきは、新しくできたひび割れがないか、外壁材が欠けたり割れたりしていないか、塗膜が剥がれている箇所がないかです。以前から知っているひび割れが広がっていないかも確認してください。
外壁の一部だけ色が濃く見える箇所があれば、そこが水を吸っている可能性があります。雨が止んで時間が経っても乾かない部分は、防水性能が落ちているサインです。
シーリングの切れ・剥離
次に目地です。サイディング外壁では、目地のシーリングが雨水の最初の防波堤になっています。
確認したいのは、シーリングが切れて隙間ができていないか、外壁材から剥がれて浮いていないか、痩せて表面が凹んでいないかです。窓やドアのまわり、換気扇や配管の貫通部も同様に見ておきます。
指で軽く押してみて、弾力がなく硬い感触であれば劣化が進んでいます。シーリングの寿命は7年から10年程度で、外壁材そのものより先に傷む部位です。
屋根・棟板金・雨樋の状態
屋根は最も被害を受けやすい部位ですが、確認は地上から行ってください。双眼鏡やスマートフォンのカメラで撮影し、拡大して見る方法が安全で確実です。
見るべきは、屋根の輪郭が波打っていないか、屋根の頂点にある棟板金が浮いたりめくれたりしていないか、瓦がずれていないか、雨樋が外れたり傾いたりしていないかです。
庭やベランダに屋根材の破片が落ちていないかも確認してください。破片が落ちていれば、屋根のどこかが欠けている証拠になります。屋根の被害については屋根工事・雨漏り修理に関する記事一覧も参考になります。
室内側のシミと窓まわり
外側だけでなく、室内も見ておきましょう。外壁からの浸水は、室内に症状が出るまで時間差があります。
天井や壁にシミができていないか、壁紙が浮いたり膨らんだりしていないか、窓のサッシ下枠に水が溜まっていないか、カビ臭さを感じないかを確認します。押し入れやクローゼットの中も見ておくとよいでしょう。
症状を見つけたら、日付が分かる形で写真を撮っておいてください。火災保険を申請する場合、いつの被害かを示す材料になります。
工事中だった場合は完了前に再点検を依頼する
塗装工事の最中に台風が通過した場合は、通常より丁寧な確認が必要です。足場の点検だけでなく、施工済みの部分に影響が出ていないかを見てもらってください。
確認したいのは、養生シートがめくれて塗料が付着していないか、塗り終えた面にほこりや飛来物の跡が残っていないか、シーリングを打った箇所が雨で流れていないかといった点です。
足場を解体する前であれば、高所も含めて確認と手直しができます。解体後では再度足場を組む必要が出るため、完了確認は足場がある状態で行うのが原則です。工事後の対応についてはアフターフォローについてのページにまとめています。
| [無料相談受付中]台風前の点検で、被害を未然に防ぎませんか 外壁のひび割れやシーリングの劣化は、横殴りの雨の入り口になります。台風シーズンの前に、防水性能が保たれているか確認いたします。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |
台風被害に火災保険は使えるのか、訪問業者への注意
台風で建物が破損した場合、修理費用が補償される可能性があります。火災保険は火事だけの保険ではなく、風災による損害も対象としているためです。
ただし、すべてのケースが補償されるわけではありません。ここでは条件と申請の流れ、そして台風後に増える訪問業者への対応を整理します。
補償の対象になる条件
補償されるのは、自然災害によって建物が壊れ、その因果関係がはっきりしている場合です。台風の強風で外壁材が破損した、飛来物が当たって傷がついた、といったケースが該当します。
一般的な条件として、被害が自然災害によるものであること、被害の発生から3年以内であること、そして損害額が一定額を超えていることが挙げられます。この金額の基準は契約内容によって異なります。
まずは保険証券を確認し、風災補償が付いているか、免責金額がいくらに設定されているかを把握してください。契約によっては風災が対象外になっていることもあります。
対象外になるケース
一方で、補償されないケースもはっきりしています。時間の経過による劣化、つまり経年劣化が原因の損傷は対象外です。
シーリングが痩せて隙間ができた、塗膜が紫外線で劣化して剥がれた、外壁が色あせたといった症状は、自然災害ではなく必然的な劣化と判断されます。保険は偶然の事故を対象とするものだからです。
また、外壁塗装そのものを保険で行うことはできません。災害で破損した部分の復旧が対象であり、建物全体のメンテナンスは補償の範囲外です。この点を正しく理解しておかないと、期待と現実がずれます。
申請の流れと必要な書類
手順自体は難しくありません。被害を確認したらまず保険会社か代理店へ連絡し、そのうえで修理業者に見積もりを依頼するという順番になります。
必要になるのは、保険金請求書、修理費用の見積書、被害状況が分かる写真、事故内容の報告書などです。写真は、建物全体が分かる引きのものと、損傷部分に寄ったものの両方を用意してください。
注意したいのが工事のタイミングです。保険金の支払いが決まる前に本工事を進めると、被害状況を証明できなくなる恐れがあります。応急処置は先に行ってよいですが、着手前の写真は必ず残しておいてください。
台風後に増える訪問業者への対応
台風のあとは、突然訪問してくる業者が増える時期でもあります。近所で工事をしているので挨拶に来た、屋根が浮いているのが見えたので無料で点検する。こうした切り出し方が典型的な手口です。
不安な状況につけ込まれると、その場で高額な契約を結んでしまいがちです。点検と称して屋根材をわざと破損させる被害も報告されており、自分の目が届かない場所での作業は避けるべきです。
保険金が確実に下りると断言する、被害と関係ない工事まで保険で賄えると説明する、保険申請のサポート料を請求する。こうした説明が出てきたら契約は見送ってください。
判断に迷ったときは、消費者ホットライン「188」や、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」に相談できます。点検は、自分で選んだ業者に依頼するのが原則です。
まとめ|台風シーズンかどうかより、管理できる業者かどうかで決まる
気象庁のデータでは、年間約25個の台風が発生し、約12個が日本に接近しています。発生・接近・上陸のいずれも7月から10月に集中するため、この時期の工事で台風を完全に避けることはできません。
それでも工事が可能なのは、台風が数日前から予報される災害だからです。業者はメッシュシートをたたんで風を通し、壁当てジャッキで足場を固定し、塗装工程を止めて備えます。
足場が倒壊した場合の責任は原則として業者にありますが、実際に賠償できるかは保険加入の有無次第です。契約前に、請負業者賠償責任保険の証券と、契約書の天候・事故に関する条項を確認してください。
工期は台風1回あたり3日から1週間ほど延びますが、天候が原因であれば追加費用は原則として発生しません。台風の直後にすぐ塗装を再開せず、外壁が乾くまで待てる業者を選んでください。
台風のあとは、外壁のひび割れ、シーリングの切れ、屋根や雨樋、室内のシミを確認し、写真を残しておきましょう。そして何より、劣化した外壁を放置しないことが最大の台風対策になります。気になる症状があるうちに点検を受けてみてください。
| [無料相談受付中]台風のあとの点検も無料で承ります 症状が出ていなくても、外壁や棟板金に被害が出ていることがあります。火災保険が使えるかどうかも、あわせて確認いたします。 お問い合わせはこちらから/お電話は 0120-55-6406(365日24時間受付・土日祝も対応) |